短歌の昇華 #4【だれかのこと】
【だれかのこと】
うちよせり心に皮膚にうちよせり感受かわしていだきあいたり
まっぴるま日につつまるるはだとはだ尿(しと)から生まれししみったれたあい
おもむろに取りだしたるはまたたく毛君がほとの毛だいじだいじに
きらめく毛だいじだいじにお守りの小袋へいれとほくちかくに
黒黒としげるほとの毛その中に白きひとすじみつけて君は
トイレからうなだれいでて君はいうわがほとの毛に白き毛ありし
ひとすじのまたたきだった君の毛の今やいくすじつのぐみ照れり
たいようの口づけあびてこんじきに照りつつ走る無言の車
白(はく)だくのちひさなお池手のひらにあまたいくたのおんみたま死に
足首にからまるリボンかがやかにひかりの中で死にたりし蠅
あの日からわたしはずっと探してるほのびかりするジェネリックな君