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断片集

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#心臓

ぷち、ぷち、ぷちと花の首がとんでゆく。 足元には、首をもがれた花が落ち、絨毯のように

 ぷち、ぷち、ぷちと花の首がとんでゆく。  足元には、首をもがれた花が落ち、絨毯のようにあふれだしそう。くさいくさいとののしられ、やきつくせよ、花と共に。小さな手をふったのは、赤くひかる川のむこう。  幸男は走った。なにかを振り払うかのように、走って、走って、にげた。もどかしく、いつまでもこびりついて離れない、きもちわるい、とらわれている、得体のしれないものが、皮膚の中までしみこんで、細胞のひとつひとつまで浸透している。かきむしっても、かきむしっても、とれないシミ。はしれば、

二月の冬の日のちょうちょ

 つぎにちょうちょが死んでたらちゃんとお墓を作ろうと決めていた。なんという制約を自分に課してしまったんだろう。のちに後悔することになる。  二月の土曜日、カフェへ行こうと外へ出たら(八時のモーニングへ行こうか迷って延ばして延ばした挙句、午後二時過ぎに出かけた)  最初の門を曲がって少し歩いた道端にちょうちょが死んでいた。  鮮やかな黄色いと黒と赤のアゲハチョウだ。この二月に?信じられなかった。  だから最初は、おもちゃもしくはいつの日かと同じようにシールだと思った。でも違っ