見出し画像

ハイブリッド自動車という妥協案

「電気自動車」
バッテリーの重量の問題から、電気自動車の量産は困難であると言われ続けていました。しかし、最近ではTeslaやNISSANのLEAFなど、ニュースや日常生活に浸透し始めました。

もちろん、電気自動車のほうがメリットはたくさんあるのですが、バッテリーという大きなデメリット問題があり、あまり利用者は多くありませんでした。今回はこのジレンマから生まれたハイブリッドという妥協案について紹介しますが、まずは電気自動車のメリットから見ていきましょう。

熱が出ないから圧倒的に省エネ

エンジンでは燃料を燃やして車を動かす力を得ています。このエネルギー効率が、ガソリンエンジンとモーターでは全く違うのです。

ガソリンはエネルギー効率15~30%、つまり燃料を燃やしたエネルギーの最大30%程度しか車を動かす力に変えられないのに対し、モーターは70~97%と圧倒的な効率を誇ります。この理由はガソリンエンジンでは、燃料を爆発させて力を得ているため、無駄な熱が出ています。モーターはこれに比べると発熱しにくいので、これだけでも大きな違いになります。しかもガソリンエンジンでは、この熱をわざわざ作った力で冷やしているのですから、効率はどんどん落ちていくというわけです。

モーター制御で燃費アップ

さらに、モーターを使用する事のメリットとして、細かな制御が可能です。例えば、地面と車がスリップした時にモーターの回転を止めてやれば、車のコントロールが良くなりますし、燃費も良くなります。このスリップが車には意外と発生していて、特に加速時にはスリップが顕著になります。

そこで、このモーター制御の出番です。モーター制御を取り入れるだけで、現在の車のタイヤの厚さを半分にできるといいます。自転車のロードバイクを想像してもらえるとわかりやすいと思うのですが、タイヤが細いほうが摩擦が少ないので、ラクに移動できます。つまり、モーター制御で燃費が向上するのです。

ハイブリッドカーという妥協案

電気自動車には良い所がたくさんあります。ただし、一番の問題がバッテリーにあります。バッテリーの問題点は大きく2つで、

・走れる距離が短いわりに充電に時間がかかる
・重い

です。一回の充電で走れる距離が長くないけど充電に時間がかかるので、遠出に使えないという問題がありました。そして、とにかくバッテリーが重いせいで、電気のエネルギー効率を無駄にしてしまっていました。

そこで妥協案として開発されたのが、ハイブリッドカー。ガソリンエンジンの自動車に発電機とモータを積んでいるという、とにかく詰まった自動車です。この自動車、想像通りとても重いです。普通のガソリンエンジンの自動車に比べて、約+100kg(大人2人分)の重量があります。

ではなぜ、この自動車がよく売れているのか?

それは、停止時の充電にあります。エンジンは回転数を遅くすると性能が落ちるので、停止時でも回転しっぱなしのいわゆる「アイドリング」を続けます。今までは捨てていたそのエネルギーを回収出来るのが、発電機とモーターの役割なのです。

つまり、重くするせいでデメリットを抱えながらも、何とか停止時のエネルギー発電で賄っているのがハイブリッドカーというわけです。


今回ざっくりとハイブリッドカーについてお話ししました。今まであまり触れられていなかった「重さ」に関して少し踏み入ってみましたが、ハイブリッドカーはそれでも日本では燃費が良いので、とても良い車だと思います。

車について詳しくない方が、少しでも車に詳しくなれる機会になればと思います。

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集