【AI】機械学習とディープラーニングの違いとは?
日々あたらしいサービスが生まれている人工知能(AI)分野。
マッキンゼーの調査によると、 人工知能(AI)は2030年までに毎年1300兆円相当の価値を生み出すとのこと。
AIにおける最先端の技術革新を理解することは、なかなか難しく感じられる場合もある。
しかし、とりあえず基本的な知識を押さえるのであれば、まずは「機械学習」と「ディープラーニング(深層学習)」の2つについて理解することが大切だ。
そして最後に、よく耳にするようになった「データサイエンス」という言葉にも触れる。
機械学習とは?
コンピューターに「学習能力をあたえる」研究分野をさしている。
与えられたデータを解析し、そのデータから学習した内容を使って判断を下すプログラムともいえる。
身近な例でいうと、アマゾンの「オススメの商品を紹介する機能」に機械学習がもちいられている。
さまざまな業界で、多種多様な「タスクの自動化」に活用されている技術だ。
機械学習のアルゴリズムは、継続的に学習するようにプログラミングされており、これはまさにAIの得意分野といえる。
ディープラーニングとは?
じつはディープラーニングは、機械学習の一種。
膨大な量のデータを学習し、共通点を自動で抽出していくことによって、状況におうじた柔軟な判断を下すことが可能だ。
「機械学習」の場合、精度は徐々に向上していくものの、人間による一定の指示・調整が必要となる。
いっぽう「ディープラーニング」の場合、人間の指示がなくても、予測が正確かどうかを自分で判断できる。
具体的には、人間のプロ囲碁棋士を破った「AlphaGo」にもディープラーニングの技術が使われている。
ディープラーニングは「ニューラルネットワーク」と呼ばれることもあり、それは、人間の脳の神経細胞(ニューロン)の仕組みをマネして作り出されているからだ。(じつは人間の脳の仕組みはほとんどわかっていないため、ディープラーニングで使われるモデルは、人間の脳にはまったく似ていないとも言われている)
データサイエンスとは?
尋ねる人によって答えが変わるのが「データサイエンス」という言葉。
一般的には、データサイエンスとは「データから大量の知識と洞察を抽出する」分野を指しており、「提案」がアウトプットだ。
なので経営陣への「ビジネスアクションの提案」といったような、多くの場合はスライドがアウトプットとなる。
よってデータサイエンスは、「AI、機械学習、ディープラーニング」といった多くのツールを使用しつつ、洞察を得るために「他」のツールも備えている横断的な分野といえる。
企業によっては「機械学習」と「データサイエンス」を区別していないところもあるので注意が必要だ。
以下、機械学習と、データサイエンスのプロジェクトのそれぞれの違いを見てみよう。
マグカップを製造する工場において
・機械学習:自動視覚検品をおこない、割れ目の入ったマグカップを瞬時に判別
・データサイエンス:製造ラインの最適化
企業の人材採用の場面において
・機械学習:書類選考の自動化
・データサイエンス:採用プロセスの最適化
企業の営業において
・機械学習:見込み客を自動ソート
・データサイエンス:営業プロセスの最適化
おわりに
似たような言葉として語られることもおおい「機械学習」と「ディープラーニング」。
両者は学習過程で人間の指示・調整が必要かどうかという大きな違いがある。
また、必要となるデータや得られる結果も大きく異なってくるので注意が必要だ。
日進月歩のスピードで進化を続けているAI分野にキャッチアップするには、それぞれの文脈から言葉の定義をしっかりと把握することが重要となる。
そのためにも、AI入門に最適な教材として前回紹介した「AI For Everyone」や、書籍から基礎を学ぶことが大切だ。
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