スマホ狂時代:睡眠が奪われる原因にせまる
以前、『僕らはそれに抵抗できない』という本のレビューをつうじて、「インターネット依存症」かどうか判断する方法と、その対策についてふれました。
今回は、デジタル依存症ビジネスが引きおこす睡眠不足の原因に焦点をあててみましょう。
というのも「慢性的な睡眠不足」は、成人全体の「3分の2」が罹患している現代病だと言われているからです。
世界で猛威を振るう「睡眠不足」の原因にせまります。
スマホを手にしている時間
スマホを手にしている時間が増えることは、睡眠不足を引き起こす一因となります。
1日に何時間、何回スマートフォンをいじっているか、その実態を知ると戦慄を覚えるはず。
「モーメント」というアプリのデータによると、平均1日3時間、39回という結果がでています。
これを月に換算すると、ほぼ100時間ほど。
なんと、まるまる4日間分の時間!
スマートフォンの普及とともに、このようにスマホを手にする時間が増加し、睡眠不足の原因に浮かび上がっています。
さらには、携帯を手元に置いておかないと不安を覚える「ノモフォビア」という言葉も生まれました。
このノモフォビアが、寝る前や寝ている最中でもスマホを手にしやすくし、結果的に睡眠時間を減少させる一因となっています。
デジタルデバイスのブルーライト
スマートフォンやタブレットなどのデジタルデバイスは、画面から発せられるブルーライトが睡眠に悪影響を与えることが知られています。
デジタルデバイスのブルーライトは、人を睡眠へといざなう「メラトニン」という物質の生成を阻害し、入眠を妨げることに。
しかし、その事実が認知されるようになってきても、人びとは枕元に携帯電話を置きつづけています。
寝る前にスマホを使いつづけることで、自然な睡眠リズムが乱れ、不眠症のリスクが高まります。
ストレスの増加
スマートフォンの利用がふえると、仕事や学業、SNS上の情報過多からくるストレスも増える傾向にあります。
具体的には、スマホをつうじたメールや、仕事に関係した通知がつねに届くため、休息をしていても仕事のプレッシャーがつづき、ストレスが蓄積される「おわらない仕事との常時接続」。
また、SNSの利用がひろがりとともに、他人との比較や社会的な期待へのプレッシャーが増える「SNSによる比較の悪循環」。
そして、スマホをつかうと興奮や刺激をひきおこすため、寝るまえにスマホをみることがリラックスの妨げとなり、ストレスを増加させる「スマホとリラックスの相反関係」。
さらには、スマホをつうじて入手できる情報が爆発的に増えたことで、情報の選択と処理において負担が増し、これが精神的なストレスとなる「情報過多による認知的負担」。
これらの要因がからみあい、スマホの利用によって引きおこされるストレスが、睡眠不足の悪化につながると考えられます。
おわりに
睡眠不足の原因となる「スマホ時間の増加」、「ブルーライト」、「ストレスの増加」について紹介しました。
これらの要因からもわかるように、スマホを手にしている時間が増えることは、睡眠不足と密接な関係があります。
健康な睡眠環境をととのえるためには、適切なデジタルデバイスの利用管理とストレス対処が重要といえます。