レビュー『ドラゴンボール超 スーパーヒーロー』
控えめにいって、すごすぎる作品。
ドラゴンボールの定番技といえば「かめはめ波」だったが、それが「魔貫光殺砲」に変わる、そんな衝撃をうけた。
ピッコロを主役にすえることで、ここまで深みのある作品が生まれるとは、目からウロコすぎる。
ぼくは、リアルタイムでドラゴンボールZの「人造人間編」を観ていた世代。
当時は、セルのあまりの強さに「絶望」を感じ、そのセルを打ち砕く悟飯の姿に「感動」したものだ。
ストーリー
ときは過ぎ、父親になった悟飯は、研究で忙しい日々をおくっている。
娘のパンに修行をつけているのは、悟飯の師匠でもあるピッコロだ。
悟空よりも「おじいちゃん」をしてくれている面倒見の良いピッコロが微笑ましい。
なによりもストーリー展開が素晴らしく、1秒たりとも見逃せない。
原作者の鳥山明先生が脚本から関わっていることもあり、ユーモアが多めで、温かい雰囲気が楽しめる。
ドラゴンボールを使って呼び出したシェンロンに「ヒップアップ」と「小ジワとり」をお願いするブルマには笑ってしまった。
そして父親になった悟飯のゆるい性格と、戦闘時のカッコよさのギャップはたまらない。
悟飯という男
そもそも悟飯は戦いが好きじゃない。
訓練よりも研究がしたい。
そんな悟飯の戦いの師匠が、父である悟空ではなく、ピッコロだった。
そんなピッコロとご飯は、師弟の関係を超えた、もはや家族と呼べる関係を築いている。
幼稚園の先生も「あぁ、ピッコロさん」と、すでに顔見知りで、何度もパンお迎えをしていることが伺える。
だからこそ、二人の共闘には熱いものがあり、愛を感じた。
劇中、ピッコロのピンチに悟飯が覚醒したとき、ぼくの涙腺は崩壊した。
そして、悟飯に対して背中越しで「上出来だ」というピッコロの姿に、さらに涙がこみあげてきた。
あぁ、最高の師弟だよ。
おわりに
ほかにも、
悟天、トランクスのフュージョン。
ピッコロにむりやり着せられた修行服を脱がない悟飯。
変装したピッコロすぐに気づくパン。
悟飯のために仙豆をのこしていたピッコロ。
悟空よりも先にジレンの強さに気付き、修行に取り入れるベジータ。
悟空とベジータの闘いをみて涙するブロリー。
言いたいことがありすぎる作品で、とにかく最高といいたい。
おもえば悟天とトランクスにフュージョンを指導していたのもピッコロではなかったか。
そんなピッコロが主人公をはった、涙腺崩壊作品だ。
現在アマプラで観れるので、まだ見ていない人はぜひ観てほしい。