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絵本は子どものためだけじゃない:歌人・穂村弘が語る、心を癒す絵本たち
歌人・エッセイストとして知られる穂村弘さん。
その詩的な感性と鋭い洞察力で多くのファンを魅了し続けています。
そんな穂村さんが、長年寄りそってきた絵本たちについて綴ったのが、『ぼくの宝物絵本』です。
ぼく自身も穂村さんのファンの一人。
とくにエッセイ『世界音痴』は、ぼくの読書人生に大きな影響を与えました。
その穂村さんが、絵本という世界にどのような視線を注いでいるのか興味があり、手に取りました。
絵本でしか味わえない感動
本書では、穂村さんが出会ってきたさまざまな絵本たちが紹介されています。
その中には、レトロな絵本から、比較的あたらしい絵本まで、幅広い作品が含まれています。
穂村さんが絵本を買い始めたのは、会社員時代から。
当時、彼は多忙な日々を送っており、そのストレス解消のために絵本を購入するようになっていたよう。
しかし、たんなる現実逃避のためのツールとして絵本を捉えていたわけではありません。
絵本の中に描かれた世界に深く入り込み、そこでしか味わえない感動や喜びを経験していたのです。
大人のための絵本
絵本は、一般的に子ども向けの書籍として認識されています。
しかし穂村さんは、大人こそが向き合うべき価値を絵本に見出します。
絵本は、言葉や絵画という限られた表現方法を用いて、深いメッセージを伝えてくれます。
それは、子どもだけでなく、大人にとっても心に響くもの。
とくに印象的なのが、武井武雄さんの絵本に対する穂村さんの感想です。
武井さんの絵本を手にした瞬間、穂村さんはまるで天国にいるような感覚を味わったといいます。
ぼく自身も、社会人になってから忙しさにかまけて読書から遠ざかってしまった時期がありました。
そんな時、心を癒してくれたのも絵本。
そのときに読んだ『たまご』や『すてきな三にんぐみ』、『うろんな客』はいまでも宝物で、絵本の中に描かれた純粋な世界は、疲れた心に安らぎを与えてくれました。
気になる絵本たち
本書では、たくさんの絵本が紹介されていますが、その中でもとくに気になる作品をいくつか挙げてみましょう。
『さよならペンギン』
ナンセンスなストーリーと独特な絵画で知られる絵本。
ぼくの大好きな絵本『ゴムあたまポンたろう』よりも先に出版されたナンセンス本であるらしいので、ぜひ読んでみたいです。
『セーラーとペッカ、町へいく』
朝起きたらセーターが見当たらず、新しいのを買いに行くという、なんともユニークなストーリー展開が魅力的な絵本。
『はやさ』
科学絵本でありながら、美しい色使いとシンプルな線画で魅力的な世界を作り上げている作品です。
『かばくん』
大きくてユーモラスなかばが目を引きます。個人的にはジャケ買い間違いなしのシンプルな表紙。
『てぶくろ』
ウクライナの民話ということで、気になります。
穂村さんは本書を読んで、モノが生き物にみえるような「もうひとつの世界」を感じたそう。
まとめ
『ぼくの宝物絵本』は、絵本という媒体を通して、人生の喜びや悲しみ、そして大切なものを見つめ直す、穂村さんの感性豊かなエッセイです。
カラー写真がふんだんに使用されており、絵本の世界をより身近に感じることができます。
絵本好きはもちろん、普段絵本を読まない人にもオススメしたい一冊。
穂村さんの詩的な言葉と、絵本への深い愛情が込められた本です。
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