目的のない学びこそが大切:『独学の地図』荒木博行
※ 朝7時に投稿したのですが、なぜか過去日で投稿されていたので、あらたに投稿しなおします。(ここで学んだことは、一度投稿されたことのある記事は、投稿された日時と紐づけられるということ。投稿後にすぐに下書きにもどして、別の日に予約投稿しても、「予約した日」に「最初に投稿された日付として」投稿されます。なので、いちど日付をあやまって投稿した記事は、一度消して、新たな記事にコピペした再投稿したほうがいいです。)
すこし前からよく見るようになった「独学」という言葉。
それは先ゆき不安な日本と、仕事をうばいつつある生成AIの登場が関係していると思います。
「独学」が流行っているのは、未来の展望がみえず、技術進化のはやい現代において、個々人が「学ぶ力」の重要性に気づいたからではないでしょうか。
そういうわけで独学本がちまたにあふれています。
正直なところ、「学び方」に関しては、読書猿さんの『独学大全』を辞書のように使えば十分かなという気がしています。
(生成AIを使った学習法は、別にキャッチアップする必要はありますが)
しかし、今回紹介する『独学の地図』では、大前提となる「学ぶことは生きること」という独学のマインドの部分について書かれてあり、勉強になります。
本書から学んだ3つのユニークな視点を紹介します。
学ぶことは生きること
著者は学ぶことを「生きること」と捉えています。
ぼくたちは、生まれてから死ぬまで、常に何かを学ぶ存在。
たとえば、赤ちゃんは歩くことや話すことを学んでいます。
大人になっても、仕事や趣味を通して、新しいことを学んでいます。
このように、学ぶことは、私たちの人生の一部。
よって、学びは、義務的にやらなければならない苦しい作業ではありません。
生きている限り、日々、ぼくたちの周りにはたくさんの学びの機会があるのです。
そして、「学ぶことは生きること」を実践した人物として紹介されているのがレオナルド・ダ・ヴィンチ。(本書でオススメされている『レオナルド・ダ・ヴィンチ』という本は、ぼくもイチ推しの一冊です)
ダ・ヴィンチは既存の知識体系にとらわれず、好奇心からさまざまなことに興味を持ち、観察と実験を重ねながら学んでいきました。
この「体系なき人生から学ぶ」スタイルこそ、変化が激しい現代社会で成長する上で大切です。
なぜ学ぶのか?という目的は最初に考えなくてもOK
「学ぶことは生きること」なので、最初から「なぜ学ぶのか」を考える必要はありません。
面白そうだから、役に立ちそうだから、という理由で学ぶのもアリなのです。
大切なのは好奇心を持ち、目の前のことに興味を持つことです。
最初から「なぜ」を考えると、必然性のある学びにしか目が向かなくなってしまい危険。
この変化の激しい世の中では、「これから何を学ぶべきか」を決めるのは難しいことです。
著者は「面白そうだから学ぶ」という素朴な理由でも構わないと断言。
大切なのは、その問いに本気で向き合うこと。
素朴な疑問から出発しても、疑問に真剣に取り組めば、徐々にその疑問は深まり、具体的な課題になっていきます。
学びの本質とは、経験の前後の差分
著者は、学びの本質は「経験の前後の差分」であると述べています。
つまり、何かを経験した前と後で、自分自身がどのように変わったのか、それが学びとなるのです。
たとえば、自転車に乗れるようになったとします。
自転車に乗れる前と後で、自分自身はどのように変わったでしょうか?
自転車に乗れるようになったという経験は、自分自身の自信につながります。
このように、経験を通して自分自身がどのように変わったのかを意識することが、学びを深めるポイントです。
その差分を意識するための3ステップが紹介されています。
・素直に感じたことをアウトプットする
・他の誰もが言いそうな、それっぽい一般論をピックアップ
・それを、自分なりの具体的な考えに変換する
また、ネガティブな感情を伴うような大きな経験では、その経験から一定の間隔を置くことが大切だと説かれています。
そして、経験とその学びの間にインターバルを作ることで、差分を冷静に見つめ直すことができます。
まとめ
『独学の地図』は、学ぶことへの意欲を高めてくれる一冊。
勉強はつまらないもの、というイメージを持っている人も、この本を読めば、学ぶことの楽しさを理解できるはず。
この本の主張は、目の前にある日常そのものが学びの場になり得るということ。
特別な場所に行ったり、魅力的な講座を受けたりしなくても、物事の見方を変えるだけで、新しい学びの扉をひらくことができます。
日常の中に潜む学びの機会に気づき、主体的に学んでいくことが大切なのだと教えてくれます。