レビュー『凡人として生きるということ』押井監督
昨日にひきつづき、押井守監督の本をご紹介。
ぼくのような凡人に響くタイトルです。
本書を読んで得た3つの学びをまとめます。
凡人として生きる
世のなかは、5%の支配層と、95%の凡人で構成。
しかし、この世は5%のためにあるわけではありません。
平凡なひとたちの、日々の営みこそ社会であり、経済といえます。
5%の言動に振りまわされてはいけません。
分相応を自覚し、「凡人としての価値観」で生きていくことが肝要。
そのためには一体どうすればよいのでしょうか。
それが、「本質を見抜く」ことです。
本質を見抜く目
押井監督は以下のように断言します。
本質を見抜くには、まずはなんでもかんでも鵜呑みにしないこと、つまり「信じない」こと。
「若さこそ価値がある」や「友情は無欲なものだ」といった、常識とされていることを疑ってみること。
そうすることで、何がウソかを見抜くことができ、ぼくたちは「自由な凡人」になることができます。
大負けをしない仕組み
押井監督の仕事術で、参考にしたいと思ったのが「他人と組む」こと。
そうすることで、自分の作品を客観的に判断することができ、独りよがりな、世の中に響かない作品づくりを戒めることができるそう。
押井監督はこのことを「大負けをしない仕組み」と表現していました。
というのも押井監督自身、一度成功したあとに「世の中をなめて」しまい、痛い目をみたそう。
「他人からのフィードバックを得る」ことは、再度痛い目をみないための予防線ともいえます。
まとめ
本書は押井監督から、現代に生きる若者へのエール。
自分を客観的にみること、メディアのウソや常識に騙されないこと、大負けをしない仕組みを持つこと。
そして、世の中を決してなめてかかってはいけないこと。
社会への深い洞察から生まれたメッセージは、強く心に響きます。
閉塞感や生きづらさを感じている若者に読んでほしい一冊です。
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