バズる言葉の魔法!『言語化力』で社会を変える!?
言葉はぼくたちの生活において欠かせないものであり、その力は計り知れません。
『言語化力』は、言葉のもつ可能性とその力を探求する一冊。
本書では複雑なテーマを平易な言葉で説き明かし、誰もが理解しやすいスタイルが魅力となっています。
言いたいことを表現する力がない。
または、言いたいことはあるものの、どう伝えればいいのかわからない。
そんなもどかしさを抱えている人に、本書をオススメします。
世の中を変える
言葉は、社会を変える力を秘めています。
三浦さんは、普段の会話からプレゼンテーション、メディアの利用まで、さまざまなシーンでの言語化の重要性を強調しています。
そして、その言語化力が向上すれば、個人だけでなく、組織や社会全体を変えるきっかけとなることを示唆しています。
たとえば、2016年、無名アカウントから発信された「保育園落ちた 日本死ね」というツイートは、国会での議論の対象にまでなりました。
このツイートは、一般人の生活からあふれ出た「魂の言葉」として、強い力を持っています。
言葉という武器は、社会現象を起こし、世の中を変えることさえできます。
言語化のための「段取り」
著者は「言語化」するための具体的なステップを提案しています。
それは以下の4ステップ。
➀ スタンスを決める
⓶ 本質をつかむ
③ 感情を見つめる
④ 言葉を整える
「スタンスを決める」ことは、自分の社会における立ち位置と世の中の動きに対する「好き嫌い」を明確にすること。
「社会がどう変われば自分が快適にストレスなく生きられるか」を考えると、自然とクリアになるはずです。
ちきりんさんの『自分の意見で生きていこう』では、賛成か反対かを明確にする「ポジション」という言葉が使われていましたが、「スタンス」と同じ意味だと思います。
「本質をつかむ」では、固有名詞や時系列を無視し、「行為と現象と関係性」だけを抜き出します。
人の心を動かすのはいつだって感情なので、「感情を見つめる」では、思いっきり自分に目を向け、その感情を抱いた理由を考えます。
最後に、ここまでのステップで生み出された言葉を、相手やその場の雰囲気に合わせて言葉を整えます。
本書が提案する具体的な方法は、誰もが取り組みやすいものであり、実践的なアプローチが学びを深めます。
バズを生み出す言葉
言語化する力が注目される現代において、SNSやメディアでの情報発信は欠かせません。
ひとびとの興味をひき、共感を呼びおこす言葉は、個人やブランドの影響力を飛躍的に高めることができます。
三浦さんは、バズを生み出す言葉の秘訣にも迫っています。
言葉をバズらせるためのポイントは、ズバリ以下の4つ。
➀ 短くシンプル
⓶ 意外性がある
③ 学びがある
④ 明日からすぐにやれる
これはビジネスシーンにおいても非常に役立つ知識であり、読者は自身の表現力を向上させる手助けとなるでしょう。
おわりに
『言語化力』は、言葉の力を最大限に引き出だす方法の宝庫と言えます。
本書は、ぼくたちが持つ言葉の可能性に気づかせ、それをどのように活かすかを教えてくれています。
さらには文章のわかりやすさ、具体的な方法、そして社会を変える可能性への期待感が、読者を引き込む要因となっています。
三浦崇宏さんの知見は、誰もが日常生活で活かせるものであり、言葉の持つ力を再発見させるきっかけとなるはず。
ちょっとした言葉や、発信に対する心がけが「人を動かし」、社会を変えるかもしれないと思わせてくれる一冊です。