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レビュー 『「いいひと」戦略』 岡田斗司夫
以前はTwitterをやっていたのですが、現在はまったく手をつけていません。
炎上や、誹謗中傷を受けた、とかではないのですが、Twitterに疲れたとともに、何をつぶやけばいいのか、わからなくなってしまったからです。
そんな時に出会ったのが本書で、本書のとおりに「いいひと戦略」を実践すれば、インターネット上での発言やふるまい方について自信が持てそうです。
さらに驚かされたのが、Googleの採用基準が、実は「いいひと」というの。
ただスキルが高い人よりも、揉め事を起こさず、周りの人と仲良く付き合える人が選ばれており、それは、スキルが高い人は外注で十分まにあっているからだそう。
よってこの本は、情報化社会でどう生き抜いていくか迷っている人以外にも、これから外資系企業に就職や転職したいと考える人にもオススメといえます。
「いいひと戦略」とは、他人からいいひとと誤解されることで、社会生活における最適な生存戦略です。
「いいひと」になる具体的なステップは以下の6つ。
(1) フォローする
(2) 共感する
(3) 褒める
(4) 手伝う、助ける、応援する
(5) 教える
(6) マネー経済から抜け出す
意外に感じたのが「(4)手伝う、助ける、応援する」で、人を助けたら、必ずTwitterやFacebookに書くべし、と言いきっているところ。
自慢にみえるので書くのをためらいそうですが、なるべく謙虚に書くことが大切とのことです。
そもそもなぜ「いいひと戦略」が必要なのかというと、「評価」が重視される社会では、一度「イヤなひと」という評価がついてしまうと、持っているお金やスキルに関係なく、生きづらい状況に追い込まれてしまうから。
インターネットで発達した「評価」社会では、「いいひと」であると評価されないと馬鹿を見る時代に変わってしまったので、「いいひと」という評判こそが現代のリスク管理であり、個人が生き延びる最適戦略です。
そんな「評価」社会でさけるべき「イヤなひと」とは、一体どんなひとなのかを知ることも大切です。
というのも、「匿名ならインターネット上では何をしても問題ではない」という態度は危険で、限られた人に発信された情報も外部にもれ、本人が特定されてしまう可能性があるからです。
「イヤなひと」とはどんなひとかを知り、「イヤなひと」になる努力をやめれば、「いいひと」への道がひらけてきます。
「イヤなひと」とはずばり、以下の6つのどれかにあてはまるひとです。
(1) 欠点を探す
(2) 改善点を見つけて提案する
(3) 陰で言う
(4) 悪口で盛り上がる
(5) 悲観的・否定的になる
(6) 面白い人、頭の良い人、気の合う人だけで集まる
個人的に気をつけなければいけないと思ったのは、「(2) 改善点を見つけて提案する」で、人のためにアドバイスをすることは控えなければと思いました。
ケンカで大事なのは、勝敗ではなく、誰がどれだけ魅力的に映っていたかである。
という著者のことばが胸に響きます。
洞察力にあふれた著者である岡田斗司夫さんの本は面白く、ほかにもレビューを書いています。
本書でも、著者の深い観察眼に感銘を受け、自分の中の「いいひと」と「イヤなひと」の部分に気付くことができ、どうすれば「いいひと」になれるのかが具体的に示唆されているので、自信を持てました。
個人としての評価が大切な時代に、Twitterや他のSNSが大切なツールであるとは理解しつつも、どうやって社会と接していいかわからない人にぜひ読んでほしい本です。
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