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レビュー『世界の美しい博物館』

美術館めぐりが好きですが、博物館はいままで視野に入っていませんでした。

それは、博物館はなんだか古臭さいものだと感じ、展示もぱっとしないというイメージを持っていたから。

しかし本書を読み、そんな印象がくつがえされました。

世界各国の美しい博物館が、106個も紹介されており、ワクワク感がとまりません。

それぞれの博物館の見どころを、美しい写真とみじかい解説で紹介しており、博物館をとおしてその国の文化や歴史をうかがい知ることができる一冊。

旅の行き先を考えている人、博物館からインスピレーションを得たい人におすすめで、リビングに飾るにもうってつけの本です。

収録数がすごい

なんといっても本書の特徴は、世界の美しい博物館を「106箇所」も収録していること。

そもそも博物館は、人類や国の歴史、生命の神秘や科学の進歩といった展示を行っている場所です。

そんな博物館のなかでもとくに美しい博物館が、これほどの数存在しているという事実に驚かされました。

アメリカやフランスといった大国に限らず、レバノンやウズベキスタンといったマイナーな国も取り上げており、お得感があります。

このように、さまざまな国の博物館が取り上げられているので、それぞれお国柄も垣間見ることができます。

博物館の個性がすごい

その国が脈々と積み上げてきた「人の営み」が表現されている博物館。

展示物にかぎらず、それを収める建物にも「国民性」が表れています。

本書に掲載された写真は一枚一枚が美しく、博物館の外観と内観も写してあるので、各博物館の個性がまるわかり。

たとえば、「ロシア国立歴史博物館」は左右対称で整合的美しさを感じ、ドイツの「東経8度ブレーマーハーフェン気候館」は船の形をしており遊び心を感じます。

ほかにも、「アゼルバイジャン絨毯博物館」は絨毯の形をまとっており、オランダの「コルブス」は人間の体内を旅する博物館となっており、膝から脳に到達する過程で、体の機能を楽しく学べる工夫がされています。

臨場感あふれる写真と、丁寧に説明された解説で、それぞれの博物館の魅力が満載。

各国それぞれの良さや、独特の雰囲気が感じることができました。

気になる博物館

本書は世界各国の博物館を106件も収録しているので、一度は訪れてみたい博物館がきっとみつかるはず。

個人的な好みでピックアップしたのが以下。

・ヨーロッパ地中海文明博物館(フランス/マルセイユ)
・ロンドン自然史博物館(イギリス/ロンドン)
・ベルリン自然史博物館(ドイツ/ベルリン)
・ポルシェ博物館(ドイツ/シュトゥットガルト)
・グーテンベルク博物館(ドイツ/マインツ)
・スイス交通博物館(スイス/ルツェルン)
・エンツォフェラーリ博物館(イタリア/モデナ)
・国立サンタンジェロ城博物館(イタリア/ローマ)
・国立航空宇宙博物館(アメリカ/ワシントンD.C)
・国立自然史博物館(アメリカ/ワシントンD.C)
・国立故宮博物院(台湾/台北)

これらはさっそく「死ぬまでに訪れたい場所のリスト」に入れました。

ちなみに日本からは、国立科学博物館、日本科学未来館、福井県立恐竜博物館の三つがのっています。

おわりに

好奇心をくすぐる博物館の写真集で、写真も綺麗で見ていて楽しく、驚きが詰まっています。

美しい写真にうっとりとし、紹介されているすべての博物館を、はじめから順に一つずつ訪れてみたくなりました。

歴史的建造物を利用したり、モダンアートのような博物館まであり、ページをめくっていて見飽きることがありません。

本書をながめ、展示品に思いめぐらし、想像の中の旅を堪能することができました。


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