大前研一「世界の潮流2021〜22 」:給料が高い場所は東京だけじゃない!?ドイツ復活の秘密も教えます!
最近、ひさしぶりに経営コンサルタントの
大家・大前研一さんの本を手に取りました。
それが「世界の潮流2021〜22」。
この本では、2021年と2022年の世界経済や政治、
そしてこれからの社会の動きについて、
大前さんが独自の視点で分析・解説しています。
難しい言葉も出てきますが、
全体的に読みやすいです。
本のなかでとくに印象に残ったのが、
以下の3つのポイントです。
働く場所を考えろ
この本の中でぼくが面白いと思ったのが、
物価を加味した給料についての話です。
たとえばアメリカの場合、IT技術者の給料は、
シリコンバレーがあるサンフランシスコや
ニューヨーク、シアトルが上位にランキング。
でも、物価を考慮した給料(つまり家賃とか
生活費を払ったあとに手元に残るお金)を
考えると、じつは
1位がテキサス州のオースティン、
2位はコロラド州のデンバー、
3位はシアトルなんです。
つまり、手元に残るお金を
最大化させるためには
必ずしも有名な都市に住む必要は
ないってことですね。
そう考えると日本も同じで、じつは
東京よりも福岡や大阪のほうが
実質的な給料が高いかもしれません。
typeによると、愛知、沖縄、福岡
がオススメとされていました。
愛知県は、製造業の集積地なので、安定した
仕事が多いというメリットがあるそう。
このように、働く場所を考える時には、
給料だけでなく物価を考慮することが大切です。
ドイツの復活に学ぶ
最近、ドイツが日本のGDPを抜いたという
ニュースがありましたね。
そんなドイツですが、かつて「ヨーロッパの病人」
と呼ばれていた時代があったんです!
それは、1990年の東西ドイツ統一後、
2000年代にかけて景気低迷が続いた時期です。
当時、シュレーダー首相は「アジェンダ2010」
という改革を行い、ドイツ経済を立て直しました。
この改革の柱は以下の三つ。
・企業が簡単に人材を解雇できる
・解雇された人は失業保険で生活
・その間に再教育を受け、戦力として労働市場に復帰
その結果、ドイツ経済は見事に復活したんです。
この話から、日本も経済を活性化するためには、
労働市場の改革が必要ということがわかります。
プログラミングを学ぶべし
大前さんは、ドイツが導入したような
新しい教育施設が必要だと主張しています。
その教育施設で教えるべきものの代表として
大前さんはプログラミングを挙げています。
それも、基礎的なプログラミングではなく、
高度なプログラミングを2年で習得することを
目指します。
ほかには、ブロガーやスポーツのプロを
育成するのも面白いと語っていました。
おわりに:安倍政権への評価
「世界の潮流2021〜22」では、
ほかにもたくさんの興味深い話が
紹介されています。
たとえば、アメリカと中国の覇権争い、
コロナ禍の経済など。
とくに安倍政権への厳しい批判は一見の価値あり。
安倍政権の成果を
図にまとめてあるので分かりやすいです。
大前さんは、安倍政権に対して「マイナス300点」と
酷評しています。
安倍政権の成果を知りたい人は、
この本を読むといいでしょう。