着物美術館〜アルツハイマーとの戦いの軌跡
私の創作帯結び
私の創作帯結びは、アルツハイマー型認知症の父を、喜ばせる為に、考えたものです。
自分の記憶が無くなっていく恐怖と、闘いながら、一生懸命生きてきた父。
今は、私が誰なのかさえ、分からなくなってしまいました。
私は、10年間、自宅で父の介護をしてきました。
できれば、ず~っと、自宅で一緒に生活できれば良かったのですが、
治ることのない、アルツハイマーとの闘いに、未来が見えなくなり、
共倒れを回避するために、3年前に父を、特別養護老人ホームに入所させる事を決意しました。
今だに、その判断が正しかったのか、わかりません。
入所させ、3年もたつのに、今も、自由になれた喜びと、父を手放した罪悪感が、心の中で渦巻いています。
自宅にいる頃、父は俳諧を繰り返していました。
深夜も出ていくので、私は睡眠不足に悩まされ、自分の時間など、ありませんでした。
唯一、私が帯結びをしている時だけ、父は機嫌がよく、
「綺麗だ、綺麗だ」と、
じっと見ていました。
私も父を、喜ばせたくて、色んな形を創りだしました。
私の創作帯結びは、私と父の、アルツハイマーとの闘いの軌跡です。
コロナのために、3月から、特別養護老人ホームは、家族の直接面会も禁止となり、オンライン面会だけとなっています。
散歩に連れていく事もできません。
3月以降、施設から出られなくなった老人が、たくさんいる事を、一人でも多くの方に、知っていただきたいです。
みんな、一生懸命闘いながら、ひっそりと生きています。
施設の職員の方々は、感染症対策に追われて、大変な日々だと思います。
感謝しています。
着付教室*花楽*~はなたのし~
着物クリエイター山内豊翠(やまうちほうすい)
タイトル「龍」
タイトル「和魂洋才」
タイトル「薔薇」
タイトル「光」
タイトル「夕暮れの雁」
タイトル「龍神の降臨」
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?