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(4)医心方 巻二十七 養生篇 導引第五 鳳凰堂流解釈

古代の有名な導引術としては、五禽戯、六字訣、八弾錦、易筋経等があります。

内容が微妙に違いますが、原理、原則は同じ。

イメージ、呼吸、動作を使って気(意識)、実際の運動・動作、呼吸を一致させる具体的方法です。

この名前が何であれ、方法が違っても原理・原則が同じであれば構いません。

ここでは、千金方に書かれている独り按摩の法が引用されています。

「馬が走っているような四つ足歩行を1日3回行えば、一ヶ月後には全ての病気が全快する。これはバラモンの方術である。」

一、両手を向かい合わせて指を組み、手のひらを擦り合わせて洗うようにする。

一、両手を浅く互いに交差し、手をひっくり返して胸に向ける。

一、両手を互いに重ねて、一緒に腿の外側を揉む(左右同様)

一、両手を重ねて腿を撫で、少しずつ体をよじる。
一、弓を引くように力を込めて引き絞るようにする(左右同様)

一、拳を作って前に突き出すようにする(左右同様)
一、石を拾うような格好をする(左右同様)

一、拳を作り、その拳を急に後ろへ引く。これは胸を開く運動である。(左右同様)

一、ゆったりと坐り、身を前に屈め、次に山を押しのけるように体を傾かせる。

一、両手で頭を抱え、腿の外側へゆるやかに頭を回す。これは脇を引っ張る運動である。

一、両手を地面につき、身体を縮めて脊を曲げ、次に上に向かって3回挙げる。

一、身体を反らせ、手で脊中の上を叩く(左右同様)

一、ゆったりと腰を下ろして、脚を長く伸ばし、それから手で脚を制して後を3回振り向く。(左右同様にする)

一、両手を地面につき、ぐるりと周りを見渡す。これを虎視という。(左右同様)

一、地面に立ち、身体を反らしたり折り曲げたりして、3回身体をねじる。

一、両手を急に組み、手の中を脚で踏む。

一、ゆったりと坐り、片方の脚を伸ばし、伸ばした脚を膝に乗せて手で揉む。
 (左右同様)

以上十八の姿勢がある。但し高齢者、身体の敏感な人、弱い人はいっぺんに続けてやらないこと。毎日少しずつやるようにする。

 この方法を3回ずつ、いつもやっていると寿命を延ばし、病気を取り除き、食欲を増進させ、視力をよくし、身体を軽やかにし、疲労しなくなる。

又、「毎日いつも両手を上げ、招くように下におろして身体の脇に添え、その両手を今度は前に招き、後ろへ招いておろす。そうしたら又、初めの動作にかえってこれを行うようにせよ。」

又、「人は何かあるときでも、何事もないときでも、いつでも毎日人に脊、及び四肢、首、首筋を踏ませること。よく踏ませると、風気や流行病が人に寄りつけない。この様な効果は枚挙に暇がない程である。」

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