養生訓 巻第七 用薬 鳳凰堂流解釈66
原文を現代文に改変
大便瀉しやすきは大いにあしく、少秘するはよし。
老人の秘結するは壽のしるし也。尤もよし。然れ共秘結するはあしし。
およそ人の脾胃つかえ、食滞り、或いは腹痛し、不食し氣塞がる病する人世に多し。
是多くは大便通じがたくして滞る故しかり。つかゆるは大便つかゆる也。
大便滞らざるように治すべし。麻仁、李仁、胡麻などつねに食すれば、腸胃うるおいて便結せず。
鳳凰堂流意訳
大便を下しやすいのは大いに悪く、少し便が出にくくなるのは良い。
老人で出にくいのは壽の印であるので最も良い。しかし便秘になるのは良くない。
脾胃がつかえ、食滞り、或いは腹痛し、食欲がなくなり氣が塞がる病になる人が多い。
多くは大便が通じがたく滞る事が原因と言うのは確かにそうである。支えると言うのは、大便が支えているからである。
従って大便が滞らないように治す事が大事である。
麻仁、李仁、胡麻などつねに食すれば、腸胃がうるおい便も結ばない。
鳳凰堂流解釈
書き方が複雑なのでちょっと鳳凰堂流で整理すると、
1、便の基準は1日1回〜3回が普通
2、1日前後でなくても問題ない
3、五臓の機能低下の表現は先ず、大便の観察から
4、養生法として、麻仁、李仁、胡麻(ゴマ)等潤腸通便の食材を意識して摂取する
と言ったところでしょうか。
鳳凰堂流としては、更に七情、我慢と自我、発散と蓄積と言った現象の機微を捉え、日々どう解決するかを自問してもらうとこほまでだと考えています。