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009_『ダブル サイドA』 / パク・ミンギュ
パク・ミンギュの本を読むのは初めて。本作は、これまで刊行された短編から選りすぐった短編集。そのサイドA。
それにしても。
幅広い刊行年代を跨いで選ばれた短編集であったとしても、その縦横無尽の想像力には脱帽。同じ作家の頭の中から生まれ出た作品とは思えない程、バラエティと指向性に富んだ内容。
解説から引用するに、前半はリアリズム、後半はファンタジーという括りだけれど、前半の作品がとにもかくにも圧倒的。 少ない枚数ながら、物語の濃度と、そこに渦巻く様々な感情が入り混じり、読後感の余韻は半端ないです。
言葉の選び方や文脈が、どうしても韓国/韓国語に依存している部分も多いので、世界的作家というよりは韓国的作家という印象を受けますが、その創造力は世界レベル。
オススメできる一冊です。次はサイドBを読みたい。