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思い切りのいい異端者の哲学:ジョン・デューイ本連載⑦

#デューイ連載 の第7回目です。前回のリンクはこちら。

プラグマティズムが何をしない代わりに何に取り組むのか。そういう関心の編成の問題として、哲学の再構築を論じました。


さて今回は、哲学とは仮説の提示であるという異端的な考えについてさらっとお話します。


思い切りのいい異端者

デューイは、異端の哲学者としてウィリアム・ジェイムズの名前を挙げたことがある。

ウィリアム・ジェイムズのように、「哲学はヴィジョンである」と主張する、哲学の主要な働きは、人の心を偏見や先入見から解放し、取り巻く世界に対する知覚を拡げることにあると、思い切って主張する少数の異端者もあった。 (RIP, 13=30)

もちろん彼は、この少数の異端者に力いっぱい同意を示している。その同意が持つ意味について解説する前に、この引用文の先を眺めた方がいいかもしれない。

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