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“まだ早い”はもう遅い?スーパーの陳列は、神からの啓示⁉︎

この寒さはいったいいつまで続くのだろう。

吐く息は白く、凍てつく風が上着の隙間から入り込んでくる。
縮こまりながら家路を急ぐ途中、ふと視界の端にスーパーの看板が映った。
どうせならアイスでも買って帰ろうか。
自分でも意味が分からない思考に苦笑しつつ、自動ドアの前に立つ。

店内に足を踏み入れた瞬間、目に飛び込んできたのは色とりどりの“ひなあられ”の山だった。

その光景に思わず足を止め、呆然とする。
ついさっきまで冬の終わりすら見えない寒さに震えていたのに、
世の中はもう春を迎える準備を始めているらしい。

何を考えているんだ?
これは準備というより、煽りってるよな?

「次のイベント行け!ほら次だ、休むな!え?まだ一個前のイベントしてないのにって?馬鹿馬鹿、そんな悠長な事言ってたら、置いてかれるぞ!」

と、行事毎で煽りで、背中をどんどん押されている気がする。

せわしない
そんなに煽って誰が買うんだ?
そう思いながらひなあられを横切り、アイスを買って帰った。

家に帰ると、何か仰々しいアルバムの様なものがテーブルの上に置かれていた。

これは何かと尋ねると、どうやら去年の10月、6歳の娘が保育園行事で披露した、鼓笛隊で演奏したときの写真だった。

私にとって、とても思い出深い出来事。
この鼓笛隊は、様様な私の感情や変化を気づかせてくれた。
「懐かしいなぁ」と思いながら手に取ると、その下に「卒園のお知らせ」

そうだ、あとちょっとで卒園だ。
ついこの前まで鼓笛隊で一生懸命練習してたのに、もうすぐ小学生だ。

そういえばランドセル、去年の5月に買った。
あの時も「早すぎでは?」と思いながら選んだが…

卒園、入学式や季節の変わり目
子供を持って初めてわかる、色々な催しの準備が次々来るバタバタ感。
一つ終わったと思ったら次と追われ
次なんだっけ?とか、あら?もうそんな季節?と、そんな日々を過ごしていた。


だから、5月のランドセルも今思えばちょうどよかったのかもしれない。
むしろ、済ませていてよかったと思える。

となると…あの時期尚早と思えるスーパーの陳列は
煽りではなく、もしかしたら我々に、
次の季節がやってきますよ!という、お知らせなのかもしれない。

…そう考えると、スーパーのひなあられも、
あながち間違ってない気がしてきた。
むしろ、この流れでいくと、
来月には「こいのぼり」と「水ようかん」が並んでても驚かない。

この季節先取り戦略、意外と理にかなってるな。
流石に再来月のスーパーに、クリスマスの商材出されたらやりすぎって思うかもだけど
ビールの秋味ぐらいなら…許せるかもしれない。

そんなことを思いながら
鼓笛隊の写真を見て、感慨深くなっていた。

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