人を堕落させる五悪とは(五欲煩悩)
前回は、五鈷杵の解説の前段階の説明として、「五智」についてご説明させていただきました。
1分程度で読める量にするのを目標としているため、まだ五鈷杵を説明するには前提となる考えを解説する必要があります。
ですので、今日は「五悪」について解説します。
五欲煩悩の代表的なものとしてあげらるのが五悪です。
五悪とは、殺生殺生(せっしょう)・偷盗(ちゅうとう)・邪淫(じゃいん)・妄語(もうご)・邪見(じゃけん)の5つを指します。
それでは一つひとつどのようなものか簡単に説明します。
殺生(せっしょう)
生き物を殺すこと。
人間に限らず、動物や昆虫などの命あるものを奪う行為を指します。
偸盗(ちゅうとう)
人のものを盗むこと。
人のものや公共のものを許可なく自分のものにする行為を指します。
邪婬(じゃいん)
婚姻関係にない人と性的関係を持つこと。
またはそれに類する道徳・倫理に反した性的な行為を指します。
妄語(もうご)
嘘をつくこと。
真実を意図的に覆い隠す不誠実な行為を指します。
邪見(じゃけん)
酒を飲むこと。
人を陶酔させるものに溺れる行為を指します。
まとめ
多様化した現代では、言葉通りのものだけではなく、それに類する考えや行為も含むと考えればよいでしょう。
例えば、飲酒(おんじゅ)とは酒を飲むこととされていますが、どちらかというと「酒に飲まれる」ことを意味します。
また、現代では違法薬物に溺れることも、邪見(飲酒【おんじゅ】)と考えて問題ないです。
この5つを戒めるのが五戒(ごかい)といいます。
こう見ると、今も昔も人を堕落させるものにはあまり違いがないですね。
それでは今回はこのへんで。
ー高野山法徳堂
P.S. 次回こそは、五鈷杵の解説に入りたいと思います。もしかすると・・・また分ける必要があるかもしれません😏