【映画感想】「ミッションインポッシブル」を見た。
まっとうに評価されている映画を見たくなって、見た。
いや、本当におもしろいな。逆噴射先生がしばしば言ってる「すごい映画はすごいので見ろ」みたいなの(言ってるか?)のすごい映画ってのはこういうのを言ってるのかもしれない。
これちゃんと全体の分量とどの時点で何が起きているかを分析したらすごくいい勉強になりそう。今回はさわりだけ。
見てみての感想は「観客が飽きるタイミングがない」ということだ。
大テーマとしては「裏切者は誰だ?」というテーマで、それについて映画が二転三転しながら進行していく。いや、考えてみると二転くらいしかしてないか。
データを奪還→疑われている状況から脱出→データを奪え→裏切者を捕えろ。
みたいに。
目的と小ミッションが次々に提示されて、それをスパイアクションでクリアしていく作りになっている。
ミッションは計画通りに行くと思いきや、次々に「うまくいかないこと」が発生して、このとき観客は「ミッションは成功するのか」ということに注目する時間になる。
とくに山場であろうデータ奪取のミッションは大変緊迫感があってよかったね。無音の緊迫感よ。
ミッションの合間もミッションの結果で状況が変わり続けて、お手本のように「アクションを連続して浴びせさせろ」のレッスンだ。ミッションからミッションに連鎖させているのが重要なのかもしれない。
もちろん、ストーリーについて首を傾げるところはある。
(いや、アクションとかスパイアイテムの突っ込みどころじゃなくてね。あれはかっこいいからいいんだよ)
裏切者に気がついた証拠が、あまりに弱すぎるのが一番気になったかなぁ。確かな証拠一つもなくない?
まあ、そのへんはミステリー映画じゃないのでいいのかもしれない。
前述の通り、ミッションのハラハラを見る映画であって、心理ドラマを主軸にした映画じゃないのだから。
んで、まあ、「自分ならどうするか」を考えるのも大事ってなんか誰かが言ってた気もするので、人様のシナリオに……という頭の中のお小言を言ったん無視して考えてみるね。
仮に僕が似たようなストーリーを作るなら、中盤まで組織のお偉いさんが怪しまれるように誘導するのと、ミッション中に陰ながら手助けをする謎の人物を登場させるかも知れない(もちろん裏切者だ。おそらくミッションの成功は彼にとって利益になるのだから)。
で、最後のミッション前あたりで影の人物(裏切者だ)が劇的に登場して主人公にお偉いさんが裏切者だと告発する。主人公は一旦その告発を受け入れて最後のミッションに挑む。(実際の作品と違って、裏切者に気が付いたということを観客には知らせない)
みたいにしたら後の流れは現状と同じで観客はもっとびっくりするかもしれない。
というか、当世風の映画ならそうしている気がする。しない?
こんなのは僕でも考えられるくらいだから、こうしなかったのは何か理由があるのだとは思う。
シリーズの一番最初ということで、ここからいろいろ定石ができていったんだろうなあという感想も抱いたよ。完璧に洗練されているわけではない。
でも、だからこそ、その構造と見せ方の美しさがあると思った。
いつか今度は時間の配分などについて注目しながらもう一度見ておこうと思う。
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