言語技術入門講座第1回の受講感想(イタリア在住ママ Yさん)
先週7月8日からスタートした言語技術入門講座。第1回講義の受講感想をいただきましたので、感想と私のお返事を書きます。
イタリア在住2児ママYさんから
【言語技術講座、一回目とても勉強になりました。
なぜ日本語を教えたいと思っているのか、なぜ言語技術が日本語学習に必要なのか、理由を自分の中でまず思い起こさせるきっかけになりました。
やはり現地校で学んでいく子どもたちは言語技術を軸として教育を受けていくわけで、日本で生まれ育った私は全くの未体験ゾーン。
好きか嫌いかはっきり結論を言い、その理由、根拠を述べる!なんてほとんどやった事ないどころか、そういう話し方は嫌われるかもと思うような国で育ってきてるので、言語技術の基本を学んでいけるのは本当にありがたいです。
日本の察する文化も好きだけど、古代からずっと使われている言語技術は、海外で暮らし子どもに日本語を教えたい私たちにとってやはり必要なものだなと思いました。
なぜ、どうしての質問を子供にして行く前に、ママが独り言のようになっても「ママはこれがすきなんだよね〜なんでかっていうとね、、」ということばのシャワーを浴びせることもなるほどなと思い意識してやるようになりました。
対話をするためのポイントの中で、意味づけをしていく事、それが自分を知ることにもなって、自分を知れば知るほど相手を納得させる話ができる、というのが新しい発見でした。
問答法のトレーニングも少し難しくて楽しかったです。もっと上達していきたいと思いました。】(以上全文)
日本では、察するコミュニケーションで、全部を伝えずとも「空気を読む」「場を読む」「輪を乱さない」などが無意識に刷り込まれているのですが、日本にいると、このコミュニケーションスタイルが海外とはかなり違うということに気が付きづらいというのも事実だと思います。
ですから海外に行くと、現地の方が自己主張が強く尻込みしてしまったり、意見を求められたときにしどろもどろになってしまったり…という経験をしたという方も多いのかなと思います。
またYさんが言われていた通り、現地の教育を受けていく子どもたちは国語教育の軸として言語技術を学んでいきますから、子ども達が学んでいくものを知ることは親の義務であるとも思っています。
本講座では、言語技術のベースである「問答法」を行うことで、ポジションテイキング(自分の立場を明らかにすること)をし、理由を述べる練習を繰り返していきます。この問答法に慣れることによって自分の考えを相手に「伝える」という練習をします。
この練習を通して、お子さんと会話をするときにもママがまずは考えを述べ、次に子どもにも考えてもらう会話へのリードができるようになっていきます。
なぜなら、人はあるトピックに関して「どうしてだと思う?どう思う?」と漠然と一方的に聞かれるよりも「私は○○に関して○○だと思うのだけど、あなたはどう思う?」と聞かれた方が、トピックが明確で自分の考えを作りやすくなるからです。
これは日本語習得過程にある子どもたち時には非常に有効で、質の高いコミュニケーションとされている「対話」に展開しやすくなります。
海外で日本語を継承していきたいという場合、日本語の環境は限られている場合が多いと思います。その限られた日本語の環境の中でいかに子どもに「日本語」を伝えていくかは継承する側の会話のリードやコミュニケーション力は大きく関わってくると思っています。
そして、もっと大切なことは「コミュニケーションは親子関係にも大きくかかわってくる。」ということです。
長期戦で毎日コツコツ積み上げていくべき継承語教育だこらこそ、毎日のコミュニケーションの在り方に直結する言語技術は一人でも多くの海外で日本語育児をするママに知ってもらうべきものだと思っています。
初回講義で、多くの気づきと学び、納得を得ていただけたこと、とてもうれしく思います。
これから2か月間、より成長と気づき、学びを得ていただけるように精進させていただきます。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
ci vedimao la prossima,
ciao ciao!
次回講座開講は9月以降を予定しています。
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