「3歳からの今どき外あそび育児」(前橋明著)の読書感想(評価:★★★)
本と出会ったきっかけ
ちょうど3歳になる子どもがいるため、元気に健やかで意欲のある子どもに育てたいと考えていました。
ですが、自身の行動を振り返ると、近くに大きな公園がありながらも外あそびのメリットを知らなかったために、休日は家でゆっくりしてしまったり、ショッピングセンターに行ったりしていました。
私はこの本を読んで、子どもが健やかに成長するチャンスをみすみす逃していることに気づかされました。
本書においては、外あそびの重要性について書かれていますが、
なかでも「運動と睡眠の関連性」「外あそびのゴールデンタイム」「幼児期における外あそびの重要性」についてとても興味深く書かれていましたので、紹介していきたいと思います。
①運動と睡眠の関連性
保育園・幼稚園児が、登園後じっとしたり、落ち着きがない子が目につくようになり、体温を計ってみたところ約3割が低体温・高体温という結果になったそうです。
その要因は「睡眠不足」「朝食の欠食」「長時間に渡るテレビやゲーム」など生活リズムに乱れのあることが分かりました。
生活リズムの核となるのは「睡眠」です。
寝る時間が少なくなったり、遅くなると自律神経が乱れます。そうなると、脳と体が正常に動かなくなり、集中できず情緒不安定に陥ってしまうということです。
更に深堀していくと、適切な睡眠には適切な運動が必要と考えられ、毎日2時間の運動を継続的に18日間行ったところ体温異常の子どもは半減したとのことです。
これにより、運動することによって生活リズムが整うということがわかりました。(P33~35引用)
コロナによって、テレワークが進み終業後の時間を有効に使えることになったので、私はその時間を子どもと一緒に外あそびする時間に充てていきたいと思います。
先ほど「睡眠」は生活リズムの核とありましたが、朝起きたらカーテンを開けて朝日を浴びることも大切だと書かれています。
なぜかと言えば、太陽光の刺激を受けると、睡眠を促すメラトニンというホルモンの分泌が抑えられ、からだが元気に目覚めるからです。
さらに、メラトニンは14~16時間後に再び分泌が始まるため、夜に眠くなるためのスイッチの役割も果たすということです。(引用P41~42)
明日から、朝起きたらカーテンを開けて親子で朝日をたっぷり浴びようと思います。遅く起きる傾向にある休日にも実行することで習慣につなげていきたいと思います。
②外あそびのゴールデンタイム
ゴールデンタイムというワードを聞いて、私は筋トレのプロテイン摂取時間を想起しました。また、集中力のゴールデンタイムは午前中ということを知っていましたが、外あそびにもゴールデンタイムがあるとは、初耳でした。
外あそびのゴールデンタイムは、なんと「15~17時」だそうです。
人間のからだは、夜眠るときには体温が下がり、日中活動するときには体温が上がります。そして、体温が最も上がった状態のときに運動をすると、とても効率よく体を動かせることができるということです。
スポーツ選手がウォーミングアップをして体温を上げるのは、血流を良くし、筋肉がしっかり動く環境を整えている事と同じなのです。
このゴールデンタイムにしっかり外あそびをすると、夕飯どきにお腹がすいてしっかり食べることができ、夜には心地よい疲れを感じて眠くなり、翌朝にはすっきり起きることができるのです。(引用P45~46)
今度、保育園の先生にお昼寝後に外あそびしているのかを雑談交えて聞いてみようと思います。もし充分できていなければ帰りに10分でも良いので公園で遊んでから帰る方法を取り入れたいと思います。
③幼少年期における外あそびの重要性
幼少年期の6年間における神経機能の発育は、成人の約90%近くに達します。つまり、神経系が急速に発達する幼少年期にどれだけ多様な運動経験をもつか、あそび体験をするかで、生涯の運動神経の善し悪しが決まると言っても過言ではないそうです。
幼少年期に形成された中枢回路は簡単には消えず、機能が高まれば自発的にその機能を使用しようという傾向が出てくるので、運動機能を開発するなら幼少年期が望ましいということです。(引用p139)
外あそびの目安となるものは、30分を週3回、3か月間の継続だそうです。
これは3033運動と呼ばれているので、とても覚えやすいですね。(引用p117)
私の子どもは保育園に通っており、徒歩通園をしています。徒歩の時間は10分ぐらいなのですが、平坦ではなくずっと坂です。最初は妻も子どもも辛いだろうなと思い、電動自転車の購入を検討しましたが、とても良い運動を毎日行えていることに気づかされました。また、親子で手をつなぎながら鳥の声や季節の花をみながら帰ることは、親子で心のつながりを感じられる貴重な時間であることが分かりました。
テクニック編
ここからは、テクニック編として早寝のコツと遊びのコツを紹介したいと思います。
【早寝のコツ】
・日中の外あそびや運動で心地よい疲れを感じられるようにする
・テレビやスマホなどの刺激を与えない
・大人も寝る体制をつくり、見本をみせる
【遊びのコツ】
・何かに熱中している時はそっとしておく
・午後のゴールデンタイムにもしっかり遊ぶ
(引用p130~133)
最後に
この本からは多くの気づきと自身の行動を振り返るきっかけにできました。
著者である前橋さんは、生活の中に無理のない程度に、でも外に出ることを意識して行ってみてください。と優しく諭しているので肩ひじ張らず、ほんの5分、10分と散歩がてら外に出る機会をつくっていこうと思います。
コロナ禍においては、外出を控えることも判断としては必要です。難しい判断を迫られますが、3密を避け、可能な範囲で親子で外あそびをすることで健やかな体と強い絆をつくっていこうと思います。