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坐ることはお寺の中のみにあらず 赦しは教会の中のみにあらず

坐ることはお寺の中のみにあらず
赦しは教会の中のみにあらず

『過去を持たない聖者はなく
未来を持たない罪人もいない。
あなたが裁くなら同時に裁かれ
赦すなら同時に赦れる』

✴︎ ✴︎ ✴︎ ✴︎ ✴︎

21歳のころ
派遣先のアルバイトで
雨の中、一日中
路地に座りつづけたことがあった。
住宅展示場への道案内が
役割だったのだが
あいにくの雨では訪れる人もいない。
そこで一日中
アスファルトに染み入り 降りつづける
雨の街を眺めつづけることになった。
そんな折に 突然 氣づきは やってきた。

ああ、すべては繰り返さてきたのだと。
母。祖母、祖父母… 代々と。

それまで どこかしら 母に対して
こんな風に 子供のとき接してほしかった
と少なからず不満を
抱いていたところがあった。
だけど、雨の中
ひたすら 座りつづけているうちに
突然、理解が やってきた。

母は祖母に そうされたように
きっと同じように してくれていたのだ。
祖母は夫である祖父を早い時期に亡くし
女手一人で 子どもだちを
たくましく 育てる必要があった。
ときに優しくだけでなく 厳しく。
わからないことも多々あっただろう。
祖母も、母も不器用ながらも
最善を尽くしたに違いないのだ。
母も、祖母も、
一人の等身大の人間なのだ。
そのような営みが
何代も螺旋に繰り返されるように続き
わたしが存在していると
雨の中、識った。
水は 個を超えた 悠久の いのちの記憶に
繋がっているのだろう。

下の詩は、そのときの体験も下地になり
後に生まれたものです。

 ✴︎ ✴︎ ✴︎ ✴︎ ✴︎

螺旋に くりかえされる それを
おまえは 優しさで 包みこむ

六月の雨 
二十一歳の ひるさがり

雨水を はじきつづけたアスファルトが 
語りだし

追いかけるように 死者たちが 
ときを超え ぼくに告げた 
 
螺旋に くりかえされる それを
おまえは 優しさで 包みこむ

いのちを みつめ
星の うつろいに こころ魅せられて
雲のように うつろいつづける 
人の こころを 眺める

眠りを 愛し
夜の 夢を持ちかえるころ
小鳥たちの歌声に 
新しい朝の訪れを知る
 
いっせいに 芽吹かせる 
春の大地の力に 驚き
気まぐれな東風の舞に 空を見あげる

揺らめく炎の たちのぼるさまに 
ときを忘れ
目に見えぬ素粒子たちの ざわめきに
手のひらを伸ばし その熱情に触れる

夢幻の煙と 適度な距離を はかりながら
灰の ささやきに耳を傾け
油の なめらかさの奥にある
永遠のときを知る 鉱物たちの 
沈黙の叡智に 想いをはせる

わたしは それらと 一瞬で交差する

螺旋に くりかえされる それらを
わたしは 優しさで 包みこむ

上弦の月に捧ぐ

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もしかしたら、このときの体験が
当時まだ大学生だった自分に準備されていた
はからずも はかられていた
はじめての坐禅体験だったのかもしれません。
なにせ1日中、雨の中坐りつづけていたのですから。

(※文章の大枠は2020年に書かれたものです。
引用した詩のみ2007年に書かれたもので
冒頭と最後の文章と写真のみ
2021年6月現在に加筆しました。)

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