「その考え方はやめなよ。」と夫にしかられた出来事
娘をお風呂に入れていた時のことでした。
誤って娘の目の中に、お風呂のお湯を大量にかけてしまいました。娘は目をしっかり開いていたので、その分しっかり、お湯が目に入ったと思います。
娘は最初「何が起こったの?」とびっくりした顔をしていましたが、その後、「ええええっええええっ」と大泣きしました。私は娘に「ごめんね、ごめんね。痛かったね。」と必死に声をかけながらあやしました。が、娘はなかなか泣き止みませんでした。
そして、お風呂からあがっても、娘は両目をギュッとつむったまま、開こうとしません。
「こんなに泣いて、しかもしばらくたっても目が開かないなんて…」
と、私はさらに焦りました。お湯に交じって、泡も一緒に入っちゃったのかな? 何か目に異常があったのかな? 色々考えあぐねてしまいました。
そしてポロっと夫に言ってしまいました。
「私のせいで…。」
夫はすかさず言いました。
「その、誰かのせいでっていう考え方は、辞めなよ。何も生み出さないよ。」
私は何も言葉を返すことができませんでした。確かに、いくら私のせいでといったところで、娘が目を開くはずもなく。でも私は、どうしたら防げたのかを考える前に、まず自分を責めたくなっていたのでした。責めたくて、つい言葉にしてしまいました。
私は娘に、ごめんね、ごめんね、と心の中で言いながら、
「誰かのせいで」という考えは何も生まないのはわかる。むしろこれが「自分」ではなく「他人」にむいた責めだったら、争いしか生まないから、辞めた方がいいということもわかる。わかるけど、とっさの時に、言葉が出てしまう。辞めるのは、なかなか難しいなあ…。
と、ぼんやりと考えていました。
娘は泣き疲れたのか、目をギュッとつむったまま、寝てしまいました。可愛い娘の寝顔を眺めながら、「責めないのは、なかなか難しいなあ…」と夫に、叱られたことをまた考えてしまうのでした。