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教壇に立ち続ける 97 今週の反省【note限定記事】

テスト作成から解放され、久しぶりにTRPGをやりました。うーん、楽しい。どうも星野です。今日は連続投稿日、ふたつめのお題は「今週の反省」です。粛々と日々の業務をこなしていきます。この記事を読んで、参考になったなーとか、いいなと思って頂けたらサポートをお願いします。minneとFantiaはこちら。毎週土曜更新、全国一律送料無料、受注生産以外は即日発送可。なにとぞ。投げ銭もお願いします。

授業を成功させるためには「対話」が大事

今週は授業の質の高低差が著しかったです。朝寝ぼけた頭で授業をやった日は、なんだか生徒もふにゃふにゃで、話を聞いていない感じがしました。まずは私が気合を入れないといけませんね。単元としては「富嶽百景」「雨月物語・白峯」が終わりました。その実践も後半に書きますが、生徒に発言させることの難しさを感じた一週間でもあったなあと思い返しています。というのも、声の大きな生徒は私も反応してあげやすいのですが、静かに考えている生徒の意見をどう共有するか、あるいは水を打ったように静まり返るクラスで発言をさせるためにはどうしたらいいか、様々な「生徒との対話の方法」を考える必要があったからです。
生徒は基本的に間違えることを怖がります。叱られるとでも思っているのか、異様なまでに正解にこだわります。だから授業開きのときに「間違っていても発言してくれたことに意味がある」と伝えておけばよかったな、と反省しています。指名しても、やる気がない子などは平気で無視してきますし、そういう「放っておいてほしい」というメッセージを発している生徒を、どう学びに向かわせるかというのも頭の痛い問題でした。
そこで考えたのは、「発言が苦手な子には達成感を与える」「発言する気のない生徒は徹底的に発言を追及する」のふたつの作戦です。
発言したくない生徒は「発言したら笑われた」等の負の経験をしていることが多いので、言ってくれたその勇気を称えたり、内容を褒めてあげることで「怖くないんだ」と思ってもらう作戦を取ることにしました。最近ナチュラルに褒められるようになってきたので、「すごいね」「頑張ったね」「よくできました」と成果を言葉にしてあげるという、単純なものです。初等ではよく使われる作戦だと思うのですが、高校生にもなると褒められる機会がぐっと減るからか、承認欲求のかたまりに化けている子もたまに見かけるので、積極的に活用していくつもりです。
もうひとつは「分からない」「無理」「知らない」を許さない、という作戦です。「じゃあ調べてみて」「どこがわからないの?」「やるところはここだよ?」と冷徹に詰めていきます。生徒の「知らない」は「聞いていない」ということの裏返しなので、説明をもう一度して、手順を説明して、机のそばまで寄っていってやたらめったらサポートする……という、しつこいくらいの追及を行います。先ほどの作戦と合わせると、うまいこと「飴と鞭」になるので、できれば褒めてもらえるんだな、と感じてもらえたら何か変わるかもしれないな、と思っています。寝ている生徒にも容赦なく指名することにしました(生徒の側から「不公平だ」というご指摘を頂いたためです)。授業に全員が参加するように指導していきます。

生徒の態度に一喝

肝心の生徒はというと、かなりの中だるみにきています。授業中はおしゃべりの時間だと勘違いしているのか、後ろを向いたり机を勝手に移動していたり、やりたい放題です。担任にも報告しながら、せめて私の授業時間では規律を守らせていますが、それでも一部の生徒は言うことを聞きません。マイペースにやっていい、とこれまで育てられてきたのだな……というのを感じてしまい、「自由には規律が伴う」という鷲田清一の話をしてから転勤してやりたいと思っています。古典の授業では、映像は見せるけれどそれをもとに1000字のレポートを書いてもらう、と言ったらものすごい勢いでブーイングを食らいました。でもやるからな。準備しているからな。覚悟しろ。書き方はもちろん指導しますし、大学に進学したうえでこのくらいのことはできるようになっておかないとまずいよ? という危機意識を持たせることも視野に入れています。しかし他の先生方がなんとも緩く(そして教材研究もそんなにしておらず)、生徒が学業に専念しないことを諦めきっているのも非常に残念です。熱意があるのがバカみたい、っておかしくないですか? 部活漬けになって感覚が麻痺しているのはいったいどっちだ、という感じ。だから私は、もし来年もこの学校に残るようなら徹底的に厳しい教師として指導していくことにしました。授業中に私語をする、寝る、内職する、などなど「集中していない」とみなしたら授業中に徹底的に叱ります。怒鳴るのは嫌いですし、疲れるのでやりませんが、今までのように優しくすることはもう無いと思います。イメージとしては、寝ている子に「ほら起きて、授業だよ」と言っていたのが「やる気がないなら担任と部活の顧問に伝えたうえで単位不認定だからな」と言い捨てるくらいのギャップです。先生に何があった、と思わせたら勝ち。とにかく、自分も生徒も真剣勝負で授業に臨むようになれたらいいなと思っています。

実践報告

最後に、今週の実践を。ふたつあります。
ひとつは「富嶽百景」。授業の進め方そのものは、定番のトーク&チョークだったのですが、生徒の負担を考えて序盤に課題を出して長期間提出を受け付けました。おかげで減点の憂き目に遭った生徒は少なかったです。授業内では要点を押さえて板書をコンパクトにすることを意識しました。私はどうしても書かせる量が多くなりがちなので、内容を精選したのが今回の授業でした。周りよりスタートが遅かったのにどこよりも早く終わってしまいました。そのため知識が定着していない可能性を考えて、①自由記述のプリントを使って心情曲線を描いたり主題をとらえたり語られていない部分に目を向けたり……という応用的な活動をする、②プリントの穴埋め形式で総復習する時間を2コマ(作品を前後半に分けました)実施、③独自に問題を作ってテスト対策、の三段階でまとめの活動をしました。問題・プリントについては有料版に置いておきますのでご自由にどうぞ。
生徒は自由に発想してくれましたし、王道の読みの子も、奇をてらった読みの子も、それぞれ「解釈する」という営為に触れて作品の理解が深まったようでした。批評の入り口に立たせてあげられたので、この後は「桜桃」などを使ってテクスト分析をやらせてみてもいいかもしれないと思っています。

ふたつめは「雨月物語・白峯」です。古典の中でも、自分で品詞分解する能力を高めるために実践しました。
訳文付きのプリントを配付し、それに合わせて助動詞・助詞などを自分で調べて書き込んでいき、最後に答え合わせ、というスタイルでやりました。生徒は「あーなんかこれやったことある」と言いながら取り組んでくれて、うっすら記憶に残っていたものを再確認できたようでした。調べ方を最初に示さなかったのは痛い失敗でしたが、机間指導を徹底的に行い、生徒の悩みに向き合う時間は取れました。崇徳院という人物の来歴も話し、「瀬をはやみ……」の和歌も紹介したので個人的には満足しました。古典の奥深さを知ってもらえていたらなおうれしいですね。生徒も「訳文がついているとやりやすい」「心理的なハードルが下がる」と訳文に好感を示していました。訳出から品詞分解を考える授業は、かなりアリなのかもしれません。

最後に、今週の反省ノートの写真を。それでは、また。

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