教育現場から 2024年9月・10月
学校での実践がまとまりつつあります。
中学校に赴任して
私が今勤めている学校は、学力こそあまり高くないですが、先生方はかなりていねいな指導をするところです。先輩方から学べる恵まれた環境。
国語科で学年抱え持ちのため、空き時間は少なくてもピンチヒッターとして任せてもらえたことを、誇りに思いながら指導しています。
やんちゃな生徒も、つらさを抱えてしまう生徒も、一定数いるという点ではどこにでもある普通の学校です。かつて荒れていたところから徐々に組織を立て直した経緯もあるそうです。
受け持っているのは1年生。「かなり幼い」と聞いていましたが、クラスによって傾向(考えの方向性や深さ)が全然違うと感じています。
小学生を相手にして授業しているような感覚のクラスも、高校生に話すかのような感覚のクラスもあって、かなり毎日面白いです。
どのクラスも基本的には真面目ですが、ふざけてしまう生徒が悪目立ちする傾向があり、少し心配です。
授業スタイルのこと
基本はトーク&チョークに回帰しました。
自分の授業の腕を上げたいというのもありますが、私と入れ替わりになった先生がそのスタイルだったと聞いて「一気に変えるのは良くないかも?」と思ったのも理由です。
歌詞分析・振り返り(リフレクション活動)は今年度も継続しています。
小説『星の花が降るころに』(光村・中学一年)とJ-POPの歌詞を重ねる活動をやってみるなどしています。これはやや失敗でした。
私の分析(教材研究)が甘くて、十分に作品を読み解いた結果と歌詞の内容をオーバーラップさせきれなかったのが悔やまれます。
彼らはあまり書くことに抵抗がないらしく、気付いたことを記録してくれるので、お返事を書くのにも気合が入ります。
努力している生徒たちが損をすることがないように、赴任した9月当初からルールを決めています。
ICT機器についても使用を認めていますが、悪用する生徒もおり……
現時点では一律禁止になりそうな予感です。
教科書の内容が私立で教えていた頃からだいぶ変わっていると感じたので、教材研究をもう一度頭から始めました。
そこで思ったのは、新しい教材もしっかり作り込めば読書教育・教科横断もできる楽しさがある一方で、「定番教材」の扱いが私の中学時代からあまり変わっていないことへのわずかな疑問でした。
まだ『少年の日の思い出』が生き残っている……!? という。
教員も忙しいので、昔の板書を流用できるのはありがたいとはいえ、現在の小学校で使用している教科書内容との連動も考えなければいけない……。
古典作品も海外作品も昔以上に良いものが分析されているはずなのに、その知見を活かさないのはなぜなのかと以前から思っています。
そのくすぶった思いぶつけつつ、幅広い作品を味わうことをねらいとした「メディア読解」を必ず発展的活動として1時間取っています。
今年度は3月まで単元末に必ずこの活動を入れる予定です。
「メディア読解」そのものは昨年度小学校で実践しているので、その反省を踏まえて「単元の内容に関連する」「論文や映像など様々な媒体に触れる」などいくつか自分でルールを決めました。今後その実践も紹介します。
今後のこと
2学期の大きな「書くこと」の単元であるレポート作成まで終了しており、ここからは書評の執筆活動に向けて見本を作成することになりそうです。
赴任当初はゲーム形式なども入れましたが、飛び道具に頼りすぎないという制約を己に課しました。
調べ学習も適宜入れて、紙の辞書を引く練習をしたり、タブレットでの情報検索の仕方を学んだりする活動も入れる予定です。
なんだかんだ言って教員の仕事は楽しいです。