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教壇に立ち続ける ㊼ 歌詞分析から詩歌の授業を考える【note限定記事】

古いパソコンを廃品回収に出し、部屋を掃除し、採点を手早く終えた私に死角はない。今日からゲームの周回頑張るぞ。どうも星野です。学校にもだいぶ慣れてはきたのですが、ワンマンプレーをしがちな癖は何とかしなければなりませんね。
今日は連続テーマ「身近なものを教材にする」の第3回、「歌詞分析」についてです。一度実践している内容なので、その時のお話も参照しながら進めていきたいと思います。1日1本プロジェクト進行中。いいなと思って頂けたらサポートをお願いします。まだまだ若輩者ですが、勉強・実践・発信は続けていきたいので、なにとぞよろしくお願いします。minneとFantiaはこちら。そろそろ新作を作らねば……。全国一律送料無料、即日発送可。買ってもらえないと廃棄なので、プレゼント等にぜひご利用ください。

今回は最愛最推しのバンド・UNISON SQUARE GARDENの大ヒット曲「シュガーソングとビターステップ」で歌詞分析をしました。アイデアをくれたのは上村さんです。ありがとうございました。夜な夜な原曲を聴きながら分析しようとして、愛着とリスペクトを込めたら大変なことになってしまいました。どう大変かというとこの画像を見てください。深読みしすぎて真っ赤です。

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一度米津玄師さんの「Lemon」で実践しているので、その話もちょこちょこしつつ。当時の実践の概略はこちらの記事で確認できます。

歌詞分析活動を実践するメリットとしては、①歌詞という身近な韻文を批評する視点が持てる、②詩歌の導入に最適である、③生徒の興味関心をひきやすい、の3点が挙げられます。韻文には言葉遊びの側面がありますよね。ただ事実を列記するだけでは無味乾燥な情景を、短いフレーズのなかで効果的に表現するための工夫が施されているということです。それを分析することで、どう表現したら耳に心地いいのかを論理的に分析する面白さを味わえますし、生徒や教師の表現力・批評の能力を磨くことにもつながります。また、教科書に載っている「永訣の朝」(宮沢賢治)だとか「短歌」だとか、そのままやっても生徒には何のことかよくわからない場合もあります。それにワンクッション入れる意味で、興味関心を引く導入に位置付けるのにもふさわしい学習活動です。

歌詞もメロディに乗ってはいますが「現代詩」です。詩歌はよくわからないもの、読みにくいもの、どうやって指導したらいいかわからないものとして認知している先生方も多いのではないでしょうか。しかし漢詩や和歌を扱うのに現代詩や短歌、俳句を扱わないのはバランスが悪いです。それでも教師側の視点では、詩歌の授業は単元の合間に挟まれる「つなぎ」みたいな見方をされがちですし、生徒側の視点では格的に授業で分析する楽しさを知らない子が多いということがあります。そこで今回はもっと大々的に(力を入れて)指導してもいいのではないか、という提言をするためにこうして再度記事にしました。

対象学年は小中高のどこでもできます。分析の内容・難易度を調節すればどこでも実践可能です。音楽は聴かないよという先生は、各学校の校歌を分析すると文語や地域性にも触れられるのでお勧めです。音楽・社会科などの教科横断も可能。私が今回分析したUNISON SQUARE GARDENの「シュガーソングとビターステップ」はアニメ「血界戦線」の主題歌になったので知名度もそれなりにありますし、上村さん曰く「現代における若年層の精神性が表現されている」とのことだったので、高校生向けかなと思っています。
手順としては①教師が模範として分析したものを示す、②模範のなかの問題を解く、③自分の好きな歌を分析する、④詩歌の授業につなげる、の4段階があります。順に説明していきます。
①では模範の分析を教師が事前に行い、その成果をノートのカラー刷りやワープロ打ち等でプリントにして配付します。このときオーディオ機器を使って実際に音源を流しながら授業をしてもよさそうだな、と実際に指導していて思いました。私は当時パソコンがオンボロだったので、ノートのカラーコピーを配りました。生徒は「Lemonじゃん」「ドラマのやつだよね」となかなかの食いつきを見せました。
②ではプリント内に付記した発問に答えます。板書でもいいと思うのですが、視線が一か所に集中するように私はプリントに載せました。発問の内容は、情景描写の仕方について(どんな効果を持っているか、どんな情景が想像されるか等)と「語り手」の想いを読み取る(このとき何を考えていたからこういう表現をしたのか推測する)のふたつでやりました。自分が疑問に思ったところや、重要だと思ったところを中心に出します。45分授業で4題くらいが限界でした。発問の内容によっては、相談したいと思ったり誰かの意見を聞きたいと思ったりすると、生徒は勝手にアクティブ・ラーニング的な活動を始めました。意見交流の場をつくれば生徒は自ら学ぶものなのだと思い知った瞬間でした。
③は時間数の関係でできなかったのですが、やるならこの活動も入れたいですね。批評の手段・手法をあらかじめ教えておいて、それを応用させる活動です。宿題にするのもいいかもしれません。
④では「歌詞分析」で学んだことを使って、現代詩や短歌を読解していくんだよという動機付けをして終了です。同じような方法で短歌や俳句、近現代詩を読解する活動につなげます。歌詞分析の過程で「書くこと」「読むこと」に慣れてもらって、いざ本丸の教材に突入、そのときにも使える知識や技術をつけておく、という位置づけで分析をしていくことを忘れずに。

私の歌詞分析内容についてはぜひ写真をご覧いただいて、ご意見などお寄せいただければと思います。ついでにサポートもよろしくお願いします。
次回でいよいよ「身近なもの」シリーズはラストです、ぜひお読みください。それでは、また。

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