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小説『華霞』ー序章2 海の幻霧ー
小説『華霞』序章の2話目です。
《これまでのお話と前置き》
始めのお話と前回のお話「序章1 目覚め」のリンクを貼っておきます。
まだ全体の3話目のため、すぐに追いつけると思います。
・始めのお話「開幕」
・前回のお話「序章1 目覚め」
前回からストーリーに入っていきました。
《前回のおさらい》
森にある花畑で目覚め、森の遊歩道を抜けて分かれ道へと出ました。街へは行かず、海の方へ向かいます。
ストーリーを進めたくなってしまい、情景描写を忘れがちなため、
あまり展開を急がずゆっくり書いていきたいなと思います。
それでは本編に入ります。本編約1000字です。
サブタイトル変更しました。「海」だけだと幅が広すぎる。
小説『華霞』 ー序章2 海の幻霧ー 星宮幽鬼
![](https://assets.st-note.com/img/1737682433-49Gri6TglhZwq053RtCyaovK.png?width=1200)
花畑で起き、森の遊歩道を通り、分かれ道に出た。
直進すれば街へ、曲がれば砂浜へと出る。
潮の香りに誘われ、砂浜へと下りる。
海は穏やかに波打ち、太陽の光を反射し煌めいている。砂浜には流木など漂流物が打ち上げられている。爽やかな風が髪をなびかせる。
流木に座り水平線を眺めている少女がいた。髪の色は基本ホワイトグレージュだが、サイドテールはダークな色に染まっている。結んだ根本には鮮やかな色の羽が三本刺さっている。
「あなた、どこから来たの?」
ブルーのラインが入ったピンクのTシャツにベルトのついた白色のショートパンツを着た少女は身を震わせて目を見開き、流木から立ち上がった。置かれていたサコッシュが流木から落ちる。
「森から来たよ」
少女は詰め寄ってきて、私は少し後退する。
「どうやって霧の中を抜けてきたの?」
「……きり?」
森からここへ来るまでに霧なんてかかっていなかった。
少女は私の後ろを指し示す。
「霧がかかっているでしょう?」
振り返るが霧などはなく、下りてきた階段が見えている。
「あそこから下りてきたんだよ」
方向を示すが、海の少女は訝しげに見ている。
「ちょっと案内して」
「……うん」
階段に向かって歩いていると、海の少女が辺りを見回し始めた。
「どこに、いますか?」
海の少女は少し後ろにいるが、私が見えていないかのように狼狽えている。
「ここだよ」
そっと手を掴む。
「良かった。いなくなったのかと思った」
痛いくらいに握り返される。
「いなくならないよ。だけど、こんなに見通しが良いのに見失ったの?」
空は雲一つなく快晴だった。
「えっ、真っ白だよ?」
海の少女は困惑している。嘘をついているようには見えない。一体どんな景色が見えているのだろう。
「このまま案内してもらえる?」
「うん」
手を繋いだまま階段へと近づいていく。
「着いたよ。階段を上るね」
「……」
一段目に足をかけた時、繋いでいた手を風がさらっていった。
背後を振り返るが海の少女の姿はない。近くに隠れられる場所などないが辺りには誰もいなかった。
生暖かい風が吹き、磯の香りに息苦しくなる。
「……学校に行かないと」
気になるが考えないことにして階段を上る。
分かれ道へと戻ってきた。木の看板に従い、街の方へ曲がる。
以上が小説『華霞』の「序章2 海の幻霧」です。
お楽しみいただけましたか。
お話の雰囲気的にはこんな感じです。
不思議な世界観を描いていきたい。
《次回予告》
「序章」 公園と妖しい文字(仮)
更新予定日:2月3日(月)
書いてみないとタイトルは決められないため、仮にしておきます。
更新予定日は予定日のため、予告なく変更する場合があります。
変更する際はできるだけ事前にお知らせするようにします。
次の記事はこちら(↓)
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
星宮幽鬼でした♪
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