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小説『華霞』ー序章2 海の幻霧ー

小説『華霞はなかすみ』序章2話目です。




《これまでのお話と前置き》

始めのお話前回のお話「序章1 目覚め」のリンクを貼っておきます。
まだ全体の3話目のため、すぐに追いつけると思います。


・始めのお話「開幕」


・前回のお話「序章1 目覚め」


前回からストーリーに入っていきました。

《前回のおさらい》
森にある花畑で目覚め、森の遊歩道を抜けて分かれ道へと出ました。街へは行かず、海の方へ向かいます。


ストーリーを進めたくなってしまい、情景描写を忘れがちなため、
あまり展開を急がずゆっくり書いていきたいなと思います。


それでは本編に入ります。本編約1000字です。
サブタイトル変更しました。「海」だけだと幅が広すぎる。



小説『華霞』 ー序章2 海の幻霧げんむー 星宮幽鬼



 花畑で起き、森の遊歩道を通り、分かれ道に出た。
 直進すれば街へ、曲がれば砂浜へと出る。
 潮の香りに誘われ、砂浜へと下りる。
 海は穏やかに波打ち、太陽の光を反射しきらめいている。砂浜には流木など漂流物が打ち上げられている。爽やかな風が髪をなびかせる。
 流木に座り水平線を眺めている少女がいた。髪の色は基本ホワイトグレージュだが、サイドテールはダークな色に染まっている。結んだ根本には鮮やかな色の羽が三本刺さっている。

「あなた、どこから来たの?」

 ブルーのラインが入ったピンクのTシャツにベルトのついた白色のショートパンツを着た少女は身を震わせて目を見開き、流木から立ち上がった。置かれていたサコッシュが流木から落ちる。

「森から来たよ」

 少女は詰め寄ってきて、私は少し後退する。

「どうやって霧の中を抜けてきたの?」
「……きり?」

 森からここへ来るまでに霧なんてかかっていなかった。
 少女は私の後ろを指し示す。

「霧がかかっているでしょう?」

 振り返るが霧などはなく、下りてきた階段が見えている。

「あそこから下りてきたんだよ」

 方向を示すが、海の少女はいぶかしげに見ている。

「ちょっと案内して」
「……うん」

 階段に向かって歩いていると、海の少女が辺りを見回し始めた。

「どこに、いますか?」

 海の少女は少し後ろにいるが、私が見えていないかのように狼狽うろたえている。

「ここだよ」

 そっと手をつかむ。

「良かった。いなくなったのかと思った」

 痛いくらいに握り返される。

「いなくならないよ。だけど、こんなに見通しが良いのに見失ったの?」

 空は雲一つなく快晴だった。

「えっ、真っ白だよ?」

 海の少女は困惑している。嘘をついているようには見えない。一体どんな景色が見えているのだろう。

「このまま案内してもらえる?」
「うん」

 手をつないだまま階段へと近づいていく。

「着いたよ。階段を上るね」
「……」

 一段目に足をかけた時、繋いでいた手を風がさらっていった。
 背後を振り返るが海の少女の姿はない。近くに隠れられる場所などないが辺りには誰もいなかった。
 生暖かい風が吹き、いその香りに息苦しくなる。

「……学校に行かないと」

 気になるが考えないことにして階段を上る。
 分かれ道へと戻ってきた。木の看板に従い、街の方へ曲がる。



以上が小説『華霞はなかすみ「序章2 海の幻霧げんむです。
お楽しみいただけましたか。


お話の雰囲気的にはこんな感じです。
不思議な世界観を描いていきたい。


《次回予告》

「序章」 公園と妖しい文字(仮)

更新予定日:2月3日(月)


書いてみないとタイトルは決められないため、仮にしておきます。
更新予定日は予定日のため、予告なく変更する場合があります。
変更する際はできるだけ事前にお知らせするようにします。


次の記事はこちら(↓)



最後までお読みいただき、ありがとうございます。
星宮幽鬼でした♪

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