【要約】『とにかく仕組み化』(著:安藤広大)に学ぶ介護現場の仕組み化の重要性について
こんにちは、社会福祉士のいし~ちゃんです。
いつも私のnoteをご覧いただきありがとうございます。
今回は安藤広大氏の著書『とにかく仕組み化』の内容を要約しながら、介護現場の仕組化の重要性について解説していきます。
この本では、仕組み化によって以下のようなメリットが得られると書かれています。
誰がやっても同じ成果が出せる
属人的な知識やスキルに依存しなくなる
業務の効率化や生産性向上につながる
介護現場は、人員不足や利用者の多様化など、さまざまな課題に直面しています。そのような状況において、仕組み化は大きなメリットをもたらします。
ぜひこの解説を読み、介護現場に活かしていただければ大変うれしいです。
仕組み化とは何か?
仕組み化とは、誰がやっても同じ成果が出せるように、業務やプロセスをルールやマニュアルに落とし込むことです。
仕組み化の目的
仕組化の目的を簡単にまとめると以下のとおりです。
業務の効率化と生産性向上 *
属人的な知識やスキルに依存しなくなる *
業務の標準化と品質の向上
組織の歯車となる職員を育成し、誰がどの業務を遂行しても、同じ質で結果を出せる方法を決めることで、組織全体の効率化と生産性の向上につなげることができます。
仕組み化のメリット
仕組み化のメリットとしては以下のことがあげられます。
業務の効率化と生産性向上
属人的な知識やスキルに依存しなくなる
業務の標準化と品質の向上
人材育成と定着率向上 *
利用者の安全と安心の確保
これから生産年齢人口は減少していくことが予想されています。あらゆる業務を仕組化することで、限られた人材でも一定のサービスの質を保つことができ、安全と安心をお届けできるメリットがあります。
介護現場における仕組み化の観点
介護現場を仕組み化していく観点としては、次の3つがあげられます。
業務の効率化と生産性向上
人材育成と定着率向上
ご利用者の安全と安心の確保
それぞれ詳しく解説していきます。
業務の効率化と生産性の向上
介護現場は、人員不足や利用者の多様化など、さまざまな課題に直面しています。仕組み化によって業務を効率化することで、人員不足を補い、ご利用者一人ひとりに質の高いケアを提供することが可能になります。
例えば、入浴や排泄などの介助業務をマニュアル化することで、誰がやっても同じ成果が出せるようになります。
また、音声入力システムやタブレットを使用するなど、ICTを活用することで、記録や報告などの事務作業を効率化することもできます。
人材育成と定着率の向上
介護現場は、慢性的な人手不足であり、常に新しい人材を必要としています。
しかし、介護は専門的な知識や技術が求められる仕事であるため、新人研修やOJTに多くの時間と労力がかかります。
仕組み化によって、業務の流れや手順を明確にすることで、新人の育成を効率化することができます。施設が求める業務の標準レベルが明確になり、新人の目標設定や目指すべきゴールが明確になります。
また、マニュアルや動画などの教材を活用することで、誰でも必要な知識やスキルを身につけやすくなります。
ご利用者の安全と安心の確保
介護現場では、ご利用者の安全と安心を守ることが最優先です。仕組み化によって、業務を標準化することで、ご利用者のケアにおけるリスクを軽減することができます。
例えば、転倒防止対策をマニュアル化することで、ご利用者の転倒事故を防ぐことができます。
また、記録や報告を徹底することで、ご利用者の状況を把握し、適切なケアを提供することができます。
介護現場の仕組み化でやるべきこと
介護現場で仕組み化を進めていく具体的な内容として、以下のことがあげられます。
介助業務のマニュアル化
記録や報告のICT化
人材育成のためのカリキュラムの作成
利用者の安全と安心を守るためのマニュアル化
介護業務のマニュアル化
介助業務のマニュアル化とは、入浴や排泄などの介助業務の流れや手順を、図やイラストを用いてわかりやすくまとめたものです。
マニュアル化することで、誰がやっても同じ成果が出せるようになり、業務の効率化や安全性の向上につながります。
記録や報告のICT化
記録や報告のICT化とは、紙の記録や報告書を電子化することです。
ICT化することで、記録や報告の入力や管理が効率化され、業務の負担を軽減することができます。
また、データとして蓄積された記録や報告を分析することで、ケアの質の向上や業務改善に役立てることができます。
人材育成のためのカリキュラムの作成
人材育成のためのカリキュラムとは、介護職員に必要な知識やスキルを身につけるための教育計画です。
カリキュラムを作成することで、新人研修やOJTの効率化を図り、職員の定着率向上につなげることができます。
また、職員のスキルアップを促すことで、ケアの質の向上に寄与することができます。
ご利用者の安全と安心を守るためのマニュアル化
ご利用者の安全と安心を守るためのマニュアルとは、転倒防止や感染防止などの安全対策をまとめたものです。
マニュアル化することで、職員の安全意識を高め、ご利用者の安全を守ることができます。
また、マニュアルに従ったケアを行うことで、ケアの質の向上にもつながります。
仕組み化を成功させるためのポイント
仕組み化を成功させるためには、以下の5つのポイントを押さえておくことが重要です。
「仕組み化の目的を明確にする」
「現状を把握する」
「理想の状態を描く」
「段階的に仕組み化する」
「仕組み化のルールを徹底する」
ポイント①:仕組み化の目的を明確にする
仕組み化を進めるためには、その目的を明確にすることが重要です。
仕組み化を行う目的を明確にすることで、何を仕組み化し、どのような効果を期待するのかが明確になります。
目的が明確になっていないと、仕組み化の方向性が定まらず、効果が得られにくくなります。
ポイント②:介護現場の現状を把握する
仕組み化する対象の現状を把握することで、どのような課題や改善点があるのかが見えてきます。
現状を把握せずに仕組み化を進めると、既存の課題や改善点が解消されない可能性があります。
可能であれば、職員全員を対象に業務で疑問に思うところ、改善の必要があるところなどを把握するためのアンケート調査などを行うのも良いでしょう。
ポイント③:理想の状態を思い描く
仕組み化によって実現したい理想の状態を描くことで、仕組み化の方向性が定まります。
理想の状態を描く際には、ご利用者や職員の視点に立って、具体的なイメージを描くことが大切です。
具体的なイメージが想像できると、仕組み化に取り組むモチベーションも向上します。
ポイント④:段階的に仕組み化をする
最初からすべてを仕組み化しようとすると、無理が生じ、失敗につながる可能性があります。
段階的に仕組み化を進めることで、無理なく仕組み化を定着させることができます。
まずは小さな成功体験を積み上げていきましょう。
ポイント⑤:仕組み化のルールを徹底する
仕 組み化のルールを徹底することで、仕組み化が形骸化することを防ぐことができます。
ルールを徹底するためには、ルールを明確にすること、ルールを守るための仕組みを整えることが重要です。
まとめ
介護現場における仕組み化は、利用者や職員の双方にとって、大きなメリットをもたらすものです。今後も、介護現場における仕組み化の重要性はますます高まっていくと考えられます。