うつ病は脳か?心か?それとも?
「とりあえず」うつ病は脳の疾患だよね。みたいな話はするけど、本音では「わからないよね」って感じ。脳の疾患を否定する=甘えだと言いたいのではなくて、本当にわからんよね。
脳の病気だと言いたい気持ちはわかる
心の病気だって、脳の病気だって、本質的には病気なのだから同じなんだけど…。
脳の病気だって言った方が、病気感があって甘え感が抜ける。
「心の〜」っていうと、どこか気持ちでなんとかなるんじゃね?みたいなニュアンスが含まれそうな気がすんだよね。
うつ病経験者は絶対に1度は言われる「それ、本当に病気なの?」みたいな言葉や空気感に超絶敏感。なので「心」という表現を避けたいのはわかる。
だけど「心理的なストレス」によって発症することも考えると、スタートはどうしたって心の病気だと思われるのも仕方ないかなぁと思ったり。
引用:https://www.nhk.or.jp/kenko/atc_203.html#theme1
私が「うつ病は脳の病気だ」と断定できるのはいつになるのか?
現状の医療だと
・セロトニンの濃度も測れない
・脳の〇〇部分に〇〇な変化が起きているので〜と説明できない
・血液検査でも決定的なものは出せない
という状態なので、「数値で」うつ病を表すことができないんだよね。
あ、光トポグラフィーあるじゃんって言ってる人いるけど、あれは血流量のパターンを示すだけであって、診断には使われてないらしいよ。あくまで「臨床の結果確認程度」だと。
「大多数の人の脳のこの部位が萎縮してることが脳をスキャンすることによってわかります。」
とか
「血液検査の結果、〇〇の数値が大きく下がっていますよね?正常な範囲は〇〇〜〇〇になりますので、あなたはうつ状態です。」
みたいな客観的な証拠を示してくれるようにならないのと、うつ病は○○の病気だ!と断言するにはちょっと足りないかな。
最近だと、うつは体の炎症反応からわかるみたいな話も出てきてて、最近その本を読んでるよ。
原因は必ず結果の前にある。だから、炎症がうつ状態の原因であるならば、うつ状態になる前に炎症が起きるという証拠が見つかるだろう。そして、そのような証拠が最近の研究ではいくつか出てきているのだ。たとえば、ブリストルを含むイングランド南西部で2014年に1万5000人の子どもたちを対象に行われた調査によれば、うつ状態ではないが軽い炎症を起こしている9歳の子どもたちは、その後 18 歳の時点でうつ状態になっている可能性が極めて高いことがわかった。
引用:「うつ」は炎症で起きる
タイトルがちょい釣りっぽいけど、内容はいたって真面目。ケンブリッジ大学精神医学科長で精神医学の世界的権威、エドワード・ブルモアさんが書いてるので、一定の信頼性はありそう。
脳でもなく、心でもなく、炎症。これまた面白い。
患者としての立場だと、さっさと脳の悪いとこ見つけて脳の病気だと断定してくれって感じだけど、メンタルハッカーとして、勉強として捉えた場合は、どこに落とし所をつけるのか、長い目で楽しめるコンテンツだなと思ってる。
一応最後に補足しとくと、うつ病は甘えじゃないからね。あくまでまだ原因がわからないってだけで。
つらいならつらいでOK。あなたが正しい。