ロマンスの現実逃避
君になら、ホンモノの「自分」を出せる気がするんだ。
君という存在が、荒んだ世界に溺れ苦しむぼくをいつでも助けてくれる。
そう、見返りも求めずにね。
その喜びはちょうど、
初めて逆上がりができた時の達成感とは天と地ほどの差で、
目玉焼きを上手くひっくり返せたときの快感とは月とスッポンで、
お誕生日のプレゼントを次々にもらって中身を確認しているときの嬉しさとは雲泥の差なんだ。
なあでも、1つきになることがあるんだ。
君はぼくの前でホンモノの自分を出せているのかい?
もしそうなら、その喜びはまた、ぼくが君の前でホンモノの自分を出せる喜びとは比べ物にならないほど、大きなものさ。