はなの現実逃避

ドライフラワーと自覚しつつ
われ、のどのところまで水につかりたい
とおもう
かびんはいつでもここにあり、
みずはいつでも空っぽのままだ

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はなのように美しくつよくけなげではなやかでいろとりどりでもろくてよわくてかなしくてどぎつくてなまいきな娘にであった

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ブーケになりたい　
ブローチになりたい
ドライフラワーになりたい
はなかざりになりたい
そうしてあたたかい土のなかで息絶えたい

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水がほしい
土がほしい
根がほしい
草がほしい
種がほしい
お日様がほしい
育ててくれる人間がほしい
枯れたときそばにいて泣いてくれる
お友達がほしい

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花が舞うようにピエロが舞い
歌舞伎役者が舞い、
砂ほこりがまい
舞ちゃんがおけいこごとのバレーで舞った

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もしおらが枯れた状態で咲いたら
だれも水なんかくれないんだろう
だれも花瓶にさしてはくれないんだろう
だれも生け花にしちゃあくれねえんだろう
だれもみつめてはくれないんだろう