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【馬と人の関係】うつで2年間ひきこもっていた女性の苦しみと、その闇(2/3)

うつと自律神経失調症で、2年間外出するエネルギーもなく、部屋にひきこもっていたみゆきさん。
近所のおばさんに誘われたときの、かすかな直感を捨てきれず、この里山にいらっしゃいました。

みゆきさんは、うつむき加減で車から降りきましたが、頭をあげて周りを見渡すと、ふか~く深呼吸しています。その様子はとても自然で、ひきこもり生活をしているようには見えませんでした。

1. 自分の身体を信じること。

ホースハーモニーを始める前に、みゆきさんにお茶をすすめ、すこしお話ししました。
とにかく、みゆきさんは、会話にものすごい精神力と体力を消耗している感じがしました。会話と言ってもお天気など他愛のない会話なのにです。

こんな時に、無理に会話を続けるのはお互いにつらいので、非言語のコミュニケーションに入ります。

ホースハーモニーにおける「非言語のコミュニケーション」とは、一般的に言われている、他者の深層心理からくるボディランゲージや表情を読み取るといったものとは異なります。

ホースハーモニーにおける非言語のコミュニケーションとは、
1. 自分の身体を信じること。
2. 自分の体内の音に耳を傾けること。
3. 自分の身体が言っていることを受け入れること。
つまり、自分自身とのコミュニケーションを言います。

引用:ホースハーモニー読本(©葉山ハーモニーガーデン)


2. 自分の身体に向き合うみゆきさん

勧められるままに、いっぱいの冷茶を一口飲むみゆきさん。
「味はどうですか?」という問いに、「冷えていて美味しいです。」と小さな声でうつむいて答えました。
二口目は、自分の味覚に向きあう方法をご説明したあとに、「もう一口どうぞ。」と勧めます。
そして、「三口目をどうぞ。今度は普通に飲んで下さって結構です。

私:「どうでしたか?三口目のお茶は。」
みゆきさん:「!」

みゆきさんの表情を見て、安心しました。
自分の心の闇から出られずにいたみゆきさんが、心と身体は分離不可、一体のものだということに気づいた瞬間です。

たったいっぱいの冷茶で、涙がとめどなく流れはじめたみゆきさん。

次は呼吸法をご説明しました。

ホースハーモニーにおける呼吸とは、
1. 全身が温かく、穏やかに、そして静かになる呼吸法。
2. 内臓の音が聞こえてくるような呼吸法。
3. 他者の温かさが実感できる呼吸法。
3. そして、心の声が聞こえてくるような呼吸法。

引用:ホースハーモニー読本(©葉山ハーモニーガーデン)

みゆきさんには、上の1の呼吸法をやっていただきました。言われるとおりに呼吸しているうちに、先ほどの冷茶の味が体にしみこみ、今まで心は孤独と不安の闇を作っていたけれど、身体はいつも自分を守っていたという実感が湧いてきたそうです。

大粒の涙がこぼれています。

初日は、ここまで終わりました。
みゆきさんの心が大きく動いたので、ここでホースハーモニーにすすむと疲れてしまうと思ったからです。

みゆきさんは、昼食のあと、木陰につるしたハンモックで夕方近くまでお昼寝をして、自分から「明日また来ます。」とおっしゃって帰りました。

次回は、みゆきさんとタロウとルーカスとの絆作りと、みゆきさんがたどり着いた答えについて。

【馬と人の関係】うつで2年間ひきこもっていた女性の苦しみと、その闇(3/3)へ続く。


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