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「働く」の原点は、「自分に向いている仕事(会社等)を探すこと」ではなく、「物事を解決に導くソリューション力を発揮すること」 ②いかにソリューション力を養成するか?

映画「カールじいさんの空飛ぶ家(原題:UP!)」をご存じだろうか?
ディズニー・ピクサー社のアニメで、子どもに大変人気のある映画なのだが、その映画の最初の方に、このようなシーンがある。

妻に先立たれ、一人暮らしをするカールの家に、ボーイ・スカウトの少年ラッセルがやってきて、お決まりのセリフを述べる。
『 Can I cut your trees? ・・・・・ (お庭の木を切りましょうか?)』云々と。
自分が人の役に立てる(他人の問題をソリューションできる)ことがらを尋ねていくのだ。

結局、偶然性からカールとラッセルは、非常に親しくなり、母子家庭であったラッセルと祖父と孫のような付き合いをするようになる、というストーリーだった。

実は私の息子もカブ・スカウト(幼齢期のボーイ・スカウト隊の名称)に数年入っていたことがあるのだが、活動内容は、これと恐ろしく違っていた。
例えば、野山には行くのだけど、そこで何をするかと言えば、せっかく自然がいっぱいあるのに、みんなで絵を描く。その周りで中年のリーダー達はごろごろと寝ている。夕方、夕食を作るとすると、ついてきた母親たちが世話をやいて色々と調理を手伝ってしまう。
こんな感じなので、程なくして辞めてしまった。

学校でボランティア活動をする場合にも、教師側が「目的」から「内容」まですべて決めてしまう。
生徒に何かを思案する余地は全くない。集合日時から持ってくるもの、さらには「途中、出会った人には挨拶をすること」といった心得まで細かく設定されてしまっている。
また、そこまで事細かに設定して学校長に上申しないと、活動そのものを行う事すらできないのが、今の学校なのだ。

こういうことをしておいて、「自分には、どんな職業が向いているか?」などの進路学習をやっている。

判るはずがないのである。

中には、プリントの中の「Yes」「No」で向いている職業を知らせようとする学習?さえ、大真面目で行われている。
笑えない話である。

ソリューションは、最初から大掛かりな内容でなくてもよい。
例えば、1時間の授業の中で「誰かの(保護者や教師でもいい)、ちょっと困っていること(無記名でもいい)」を取り上げて、それをどう解決・改善するかについてアイディアを練り、発表し合う。
それだけでも、立派なソリューション力を養成する学習になる。

そこから次に「Try& Error」という学習が始まるのだ。


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江島 達也/対州屋
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