#41不安の悪循環から脱出するには?~馬との交流分析からの学び~
こんにちは、人馬交流分析士のりょーじ(@Horse Value)です。人馬交流分析って何?りょーじって誰?それをやって何になるの?という疑問への答えは#1をお読みください!
さて、前回はH.O.R.S.E.理論と交流分析の関係のお話をしてきました。大まかにお話しすると、僕が馬との交流で得た気づきである「人間は本来H.O.R.S.E.だよね」という理論と交流分析の人間観がすごく似ているよ、というお話をしました。
※H.O.R.S.E.理論について詳しく知りたい方は、#7や#28、#29を読んでください!
※交流分析って何?という人は#31~#39を読んでください!
とはいえ具体例を交えていかないと中々分からないと思いますので今回から、僕が学びを得た馬と人との交流を、交流分析を用いてより分かりやすく説明していきます。
今日のラインナップはこちら!
・不安の共有で失敗に陥るパターンとは(#8)
・交流分析における不安状態
・馬との体験を交流分析で考える
今回は、#8でお話しした僕と馬との心理的交流を取り上げていきたいと思います。これによって「体験→気づき」のプロセスがより鮮明になり、その時に僕が感じたことをより皆さんに分かりやすい形で説明できると思います!
早速行きましょう!
不安の共有で失敗に陥るパターンとは
人は誰しも不安になることがあると思います。特に人間が他の動物と比べて特殊なのは、未来を予測することができ、将来に不安を感じることにあります。
例えば「明日大事なプレゼンだから」「明日大事なテストだから」不安になって眠れないこと、身体が震えだすことってあるんじゃないでしょうか。
#8ではそんなテーマでお話ししました。「将来について考えると嫌な気持ちになります。」というお悩みについて、僕と馬との交流を通じて考えてきました。
まず「将来に不安を感じることそのものによって、そのネガティブに予測した状況が実際に起こることを引き寄せている」というお話をしました。
例えばスポーツで不安や緊張で身体が硬くなってうまくいかなかったという状況は経験したことがない人もなんとなく分かるんじゃないでしょうか。
さらにその不安が厄介なところは「その不安が周りにも伝染すること」です。お互いに緊張が伝染しあって負のスパイラルに入り込んでしまうのです。
チームスポーツではそのようなことが頻繁に起きます。ちょっとした綻びから大きく流れが変わる、勝てるはずなのに流れが悪くて崩れてしまう、そんなことは「不安になることそのもの」が引き寄せたと言っていいでしょう。
馬と共に競技をする馬術というスポーツでも同じことが起きます。馬と人との間でも不安や緊張が伝染し合うんです。
交流分析における緊張状態
不安や緊張状態の時、生き物(人間を含む)はどうなるのでしょうか?
交流分析においては、そのような時生き物は「A(大人)が低くなり、A以外で自分がなる傾向が高い自我状態になる」とされています(Aって何?という人は#32を読んでください)。
どういうことかというと、まず不安や緊張状態の時、普段どんなに冷静なA(大人)が高い人でもAが低下します。これがいわゆる「テンパる」というやつです。
ただ皆さんご存知の通り、テンパった時の緊張状態の表れ方は人によって違います。「誰かに泣きつく」「攻撃的になる」など色々なパターンがあります。
これはAが下がった後に、その他の自我状態のうち自分がなりがちな自我状態に無意識になる、ということが起こっているのです。
自分がなりがちな自我状態とは、エゴグラムにおいて高い傾向を持っているものです。僕が緊張状態の時どうなるかエゴグラムを基に見てみましょう。
僕はAの次に高いのがCP(批判的親)です。なので僕は緊張状態になると「なんで誰かやらないんだよ!」「これってこうあるべきじゃない!」とか周りを責めるということが無意識的に起こってしまうんです。
馬との交流を交流分析で考える
さて#8でお話しした例を思い出してみましょう。僕と馬の間で緊張が伝染しあっていたんだ、と気づいたお話しです。
僕は緊張するとCPが高くなるとお話ししました。この僕のCP(批判的親)は馬のAC(適応する子ども)を刺激します。
イメージとしては僕が馬のことを責めてしまい、馬は「この人いつもと違う!なんかすごい指示出してくる!」と感じて萎縮してしまうという感じです。
馬が萎縮する(ACが高まる)のを感じることで僕のCPはさらに高まります。#36でお話しした自我状態をお互い高め合うような交流が起こってしまうんです。
これによってお互いの緊張はどんどん膨れ上がってしまうんです。
#8ではその対処法もお話ししました。まず大切なことは自分が緊張状態の時どんな自我状態になるか、を知ることです。
そして他の自我状態を意図的に高めることによって緊張から解放されることができるのです。
ここで注意してほしいのは多くの人がここでAを高めようとする(冷静になろう、落ち着こうと自分に語りかける)んですがこれはあまり有効ではないことです。
というのは、緊張状態とは前提として無意識的にAが下がったところなわけですから、Aを高めることは難しいです。
僕の例でいうとCPが高かったので、馬への愛情や感謝を持つNP(養育的親)に意図的になろうとしていました。NPになることで、自分と馬との間にあった緊張がお互い増えていく悪循環を脱出できるからです。
これは結構オススメな方法です。というのは多くの人は緊張状態の時CPもしくはC(子ども)のどちらかになる傾向にあるからです。緊張状態で相手を気遣うことが出来る人は多くありません。
ここで思うのはNP(養育的親)になることができたら緊張状態が解消される、ということが分かったとしても「どうやってその自我状態になるのか?」というお話しですよね?意図的にその自我状態になるにはどうすれば良いのでしょうか?
ここは#37の後半でお話ししたことを参考にしてください。行動は在り方から生まれますが一方で行動も自分の在り方に影響を与えるんでした。
つまり、NPでいるためにはNPの特徴的な行動、声かけ、仕草を行えばいいんです。とってもシンプルに言うと馬に「愛してるよ」とか「ありがとう」と呟いてその後に感じる愛情を身体いっぱいで感じるだけで大丈夫なんです。
今回の馬との交流体験の内容は#8ですでにお話ししてきたお話でした。でも交流分析を使って丁寧に見ていくことで、考え方ややり方をより鮮明に理解してもらえたんじゃないかな、と思います。
次回は#9でお話ししたことについて考えていきます。お楽しみに!
【今日のまとめ】不安や緊張状態にあって、さらに緊張状態が誰かとの間で伝染しあっていると感じた時は「ありがとう、愛してる」と声に出して伝えてみましょう!
明日も頑張りましょう!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?