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再再配達

「ついにやってしまった…」

そのときの感情はこの言葉に尽きる。
郵便局員並びに運送業の方々の多忙っぷりはメディアでもしばしば取り上げられている。
そのたびに兜の緒を締めなおしていたつもりだった。

だがそれはつもりに過ぎなかった。
引き締めがゆるく、するっとほどけてしまったようだ。

二枚並んだ不在届を見るにつけ、配達人の困り顔が目に浮かぶ。
きっと今頃、某映画の某主題歌の替え歌が脳内で自動再生されているにちがいない。
なんとも申し訳ないことをしてしまった。


――郵便局から届けられるはがきは身に覚えがなかった。
郵便局から各家庭に届けられるはがきなんてしょっちゅうあるものでもないから、なおさらだ。
内容を確認してみると「年末配達物仕分けのバイト」の募集だった。
去年は入ってなかったから今年から始めたのかな、そんなこと悠長なことを考えていたのも束の間。
人手不足なんだなぁ、という現実を悟った。

年末ともなると、普段の配達物に加え、年賀はがきの仕分けなど業務が通常期よりも忙しくなる。
人手不足により土曜日の配達の廃止を検討するというニュースも耳にした。

「そんな現状で、自分ができることといったらなるべく一回目の配達で受け取ることだ、最低でも再配達で受け取ろう!」――


そんな決意をした矢先の事だった。
大人しく近くのコンビニに再配達してもらえばよかったとも思う。
だが、やってしまったことはしょうがない。
次に生かせばいいだけのことだ。


恐らく社会全体で再配達を全く無くすことは厳しいだろう。
ただ、100の内1、2人だけでも意識を変えればちょっとずつ事態は好転していくはず。
郵便に限らず、何事も慌てずに少しずつ現状を変えていきたい。
そう決意を新たにし、再再配達を武士のように静かに待ち構える。



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はやぶさ
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