"空気"な言葉
私には嫌いな人がいました。
ただその人たちから、"自分の苦手なタイプ"を学ぶことができました。
中学のとき、ある先生からそんな感じの事を言われた。
突っ込んだ話をされることはほとんどない。
だから、余計に印象に残っている。
そして、だからこそ今でも思い出すことがあるのだ。
〇
本当に困ったとき、誰の言葉を頼りにすればよいのか分からなくなる。
知り合いやネットは、励ましとか教訓を与えてくれる。
もちろん、その気持ちだけでもうれしい。
だけど、それでも元気が出ないときとか、どうしようもないときもある。
複雑な”この心情”を、うまく捉えていないから。
与えられた言葉の向こう側に、何が見えるのかと聞かれても、霞んでいてよく見えないのだ。
そんなとき、助けになるのは背中をさすってくれる言葉。
"すぐには走りだせない。
だけど、いつかまた前を向かないといけないときが来る。
それは、分かってるんだけど…"
そんな複雑な気持ちをくみとって、紡がれた言葉。
受け取ったとき、本当に心に響くのだと思う。
たぶん、それを書き連ねた本人もけっこう思い悩んできたはず。
考えてる人は、考えてくれる人でもあるから。
自分でも気づかなかった気持ちを、先回りして探してきてくれる。
そんな言葉に出会えたら、いつかまた、救われるときがくると思う。
〇
「論理的でもあるし、感性的でもあるよね」
noteの感想で、知人から言われた。
その言葉に満足感を覚えた。
僕はそんな文章が書きたかったから。
生きている中で、論理で片を付けられることがたくさんある。
でも、それだけじゃ割り切れないこともけっこう多い。
"なんか、好き"
"ビビッときた!"
あいまいな感情は、説明しようとしても上手く伝えられない。
だけど、しょうがない。
本当に大切な物って、そんなものだと思うから。
同じように感じてる人がいるのなら、それは喜ばしい。
だけど、そういう人って周りにあまりいない気がする。
”どこの誰だか知らないけど、同じこと思ってる人がいるんだ”
1か月後、あるいは1年後、はたまたもっと先の未来。
そんな風に、ほっとする言葉に出会えるかもしれない。
誰かも気持ちを代弁する言葉。
大切なんだと思う。
ふと思い出したとき、きっと大きな意味を持つと思うから。
〇
世の中は、色んな言葉であふれている。
今までどれくらいの数ふれてきたか、見当もつかない。
組み合わせも、作法もさまざまだから、覚えていられない。
そんな中、ある瞬間に思い出すものもある。
嫌いな人ができると、ふとよみがえってくる言葉がある。
自分の気持ちをくみとってくれたみたいで、ほっこりする言葉がある。
弱ってしまったときに、ふと頭の中で自動再生するメロディと歌詞がある。
いつも意識してるわけじゃない存在。
ちょこん、と頭の片隅に居座ってるだけ。
それが思い出したようにどでかくなって、かけがえのないものになる。
まるで空気みたいだ。
ふだんは気にしてない。
だけど、なきゃ困る。
ふとした瞬間に、その存在感に気づくのだ。
大切なシーンで思い出す、”空気みたいな言葉”。
人生のうちで、何回出会えるかな。
〇
大人のフリして あきらめちゃ
奇跡の謎など 解けないよ
(ロマンティックあげるよ)
前回投稿したnoteで紹介した”ロマンティックあげるよ”の、心に引っ掛かった歌詞。
いつかまた、思い出すときがくるかもしれない。