目の前10m

目先の欲とリテラシー

苦手な人がいない人間がいるだろうか。
少なくとも僕にはいる。
どう接してもそりが合わない部分が出てきたり、意見が食い違ったりする。

お金が欲しくない人がいるだろうか。
誰だってお金があるなら欲しくなる。
大学生の立場で言うなら、時給は高い方がいい。

誰だって苦手な人はいるし、お金は欲しい。

苦手な人と接するのが嫌だから、そいつは無視して生きていく。
お金が欲しいから、今の人間関係を断ってお金が稼げる場所を目指し、高収入の会社に就職する。

そうすれば目先の懸案は解決するだろう。


ただ、本当にそれでいいのだろうか。

苦手な人は僕に似ていることが多い。
自分に似ているから苦手なのだ。
乗り越えなければならない部分が目の前に現れて、僕と話している。
苦手と思わなくなるように、その弱さを克服しないといけない。

お金よりも大切なものを見つけた。
人との繋がり、言葉を必要としない信頼、無意識の笑顔。
どんなにお金を積まれても、手放せはしない。


最近、「目先の欲」についてよく考える。
先述した事例はその一端。
世の中にあふれた目先の欲を上げればもっとある。
楽な単位の取り方、お金の節約法、異性にモテるファッション…

欲は誰にでも湧くものだ。
人間が生きていくうえで欠かせないものに違いない。
ただ、目先の欲には「何かをおかしくする効果」もあるのだ。

勉強時間の削減、お金への執着心、内面の軽視…

確かに短期的に見れば満足のいく結果が得られるだろう。
しかし、いつか自分の「さび」となっていくのだ。


人として何が正解だと思うのかの大部分は個々人のリテラシーに依る。
目先の欲には見向きもしない人もいれば
この道は危ないな、と気づき引き返してくる者もいる。

正直、僕は目先の欲にはまってしまったことは何度かある。
自分で引き返してきたこともあったが、「助けてくれる人」がいたことも大きい。
僕の手を引っ張り、「そっちじゃないよ」と声を掛けてくれた人がいた。
周りの人にも助けられて、僕は今ここにいられるのだ。

人は完璧にはなれない。
失敗はたくさんするし、正しい道だけを突き進むことなんて出来やしない。
だからこそ、そのたびにリテラシーを培っていけばよいのだ。
自分で考えながら、ときに人に助けられながら、遠い未来を見据えられる度量の大きな人を目指していく。





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はやぶさ
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