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ロゴに込めた思い(映画テキストサイト「osanai」)
「推さない」をコンセプトに掲げた映画テキストサイト「osanai」、ローンチから早くも半月が経ちました。
掲載しているテキストを褒めていただけることも多いのですが、「ロゴがカッコいいね!」「イラストがかわいい!」という声も多数もらっています。
今回は、osanaiのロゴ制作に至った経緯や、デザインのプロセスについて記します。サービスの「顔」を決めるロゴ制作について悩むこともあると思います。決してこれが「正解」ではありませんが、思考の一助になれれば幸いです。
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「カッコわるい」は嫌だった
昨年運営を開始したWebサイト「ふつうごと」は、ゆっくりとサイトを育てていこうと考えていました。一方で「osanai」は、比較的早期に、たくさんの人に読んでもらえるような形を目指しています。(もちろん、すぐに100万PVとかを叩き出すことは難しいですが……)
「映画」という総合芸術を扱うにあたり、デザインは重要です。「カッコわるい」ことは許されない。なのでデザインのプロ、友人のKogu・桜沢敬樹さんにロゴを作ってもらうことにしました。
「推さない」を、どう表現するか
ロゴを作る上で1番大切にしたかったのは、「このサイトとは何なのか?」が分かることでした。
・映画のサービスだと分かるようにする
・「推さない」というコンセプトだと分かるようにする
の、ふたつの軸があります。サイト名を決めたときから後者であろうとすることにこだわっていました。映画という素材でなく、コンセプトを重視するということです。
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「推さない」を表現するには、どうすれば良いのか。「〜〜である」の表現はよくありますが、「〜〜でない」の表現はあまり聞きません。
桜沢さんが提示したのは「ひっくり返す」デザインでした。
こちらの初期案が分かりやすいのですが、osanaiの「i」はエクスクラメーションマーク(びっくりマーク)をひっくり返したものです。
![](https://assets.st-note.com/img/1662086831979-6Bwr4TQxCd.png?width=1200)
推すが「!」なら、推さないは「i」。
たしかに個人が何かを熱心にレコメンドするとき、「これがお薦めです!!!」というように「!」が多用されます。この傾向は年々強まっていて、Twitterのタイムラインはエクスクラメーションマークで溢れています。
ロゴに「ひとめぼれ」した僕は、もはやこれをそのまま進める形で良いのではないか?と考えていました。
いったん、フックを外す
数日後、桜沢さんから提案いただいたのがこちら。
![](https://assets.st-note.com/img/1662087221824-sz5bXN3Aio.png?width=1200)
ほぼ、現在と同じロゴになっています。
AppleのiPhoneなどと同じ、個人のアイデンティティを表す「i」が、ダブルミーニングとして重ねられました。「i」が真っ直ぐになったのは、「iを斜めにするのはやり過ぎかな」とのことです。
ものすごくシンプルで、造形的にはドンピシャで僕の好みでした。
でも一方で「ちょっと普通すぎるかも」という懸念もありました。どうしたものかと考えましたが、同じタイミングで届いたyurilustracionさんのイラストと合わせることで、不思議なくらいシンプルなロゴが映えたのです。
なので「iをフックにする」という考えはいったん捨てて、ロゴの太さや字間を微調整することでfixに至ろうと考えました。
映画の余韻まで楽しんでほしい
2回目の提案で気になったのは、ロゴの字間が離れ過ぎている点でした。そもそも僕はスクエア型のロゴを想定しており、桜沢さんが提案したやや横長のロゴはある意味で「想定していなかった」ものだったのです。
横長の印象を減じようと、「狭いタイプでも確認させてもらえないか?」とお願いすると、桜沢さんは以下3つのタイプで比較させてくれました。
![](https://assets.st-note.com/img/1662111857903-JJjdQ49UYZ.jpg?width=1200)
正直にいうと、ギリギリまで真ん中のロゴを採用する予定でした。狭いver、広いverと比べて、一番バランスが取れていると思ったからです。
ただ、どうしても広いverのロゴ(もともと提案いただいていたもの)が気になり続けていました。バランスって、本当に大事なんだっけ?そして、字間の広いロゴを何度も見ているうちに、違和感が心地良さへと変わっていくのをはっきりと感じるようになったのです。
最近では倍速で映画を観る人も増えているそうです。僕もラジオ番組など1.5倍速で聴くこともあり、「情報をなるべく速く処理したい」という気持ちは分かります。
ただ映画は、情報だけで捉えることができないものです。例えばティモシー・シャラメさんが主演を務めた映画「君の名前で僕を呼んで」、ラストシーンでエリオが涙するシーンは時間を忘れてスクリーンに浸りたいものです。体感時間は人それぞれですが、余白や余韻も含めて楽しめるのが、映画の価値のひとつだと思うのです。
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そういった意味で、余白や余韻に浸れる「幅」が、osanaiロゴの字間にはあるように感じられました。後付けの理由ですが、ロゴについて真剣に考えたからこそ得られた副産物だと僕はポジティブに受け止めています。
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以上が、ロゴ制作のプロセス全容です。
サイト運営の立場なので、あれやこれや考えるのは当然ですが、何よりも実際にデザインしてくださった桜沢さんの力がめちゃくちゃ大きいです。
まだコンセプトも固まっておらず、ふわっとした状態で依頼を引き受けていただいた桜沢さん、本当にありがとうございました!
もしロゴやデザインでお悩みの方いれば、ぜひ桜沢さんにお声掛けしてみてください。
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