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老いても新興企業にapplyできるか(映画「マイ・インターン」を観て)
36歳最後の日。
年齢が1つ上がろうが、そうでなかろうが、昨日と今日、今日と明日、いやこの瞬間であっても、1つずつ僕たちは老いている。若くはならない。
転職市場には「35歳限界説」というものがある。「そんなの都市伝説だよね!」という反論はあるものの、一般的に年齢が上がると年収も高い傾向にあるし、相応のスキルや経験を身につけていることに紐づく「自尊心」があるわけで。雇用する側が「受け入れづらい」と判断することは想像に難くない。
そして、それが例えば、20代中心で構成されるような組織だったら。同質性が高いカルチャーを形成している中で、上の年代の成功体験が混ざってしまうことの懸念や拒否反応。それは多様性とは別の軸で、受け入れられないと感じるケースもあるだろう。(固有の応募者でなく、年代への偏見だ)
そういった文脈で、年齢を重ねることは、雇用機会が減少し得ることを意味する。そうならないように自身のキャリアを真剣に考える必要はあるのだが、何かが間違っているような気がする今日この頃である。
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そんな36歳最後の日、前から観ようと思っていた映画「マイ・インターン」をNetflixで鑑賞した。
ロバート・デ・ニーロ演じるシニアインターン生のベンと、アン・ハサウェイ演じる若手社長のジュールズが主人公だ。
70歳を超えて人生に張り合いをなくしたベンが、NYでファッション通販サイトを運営している設立1年半のスタートアップに入社する。
母親とそりが合わないジュールズは、母親と同じ年齢のベンを遠ざけようと試みるが、次第にベンの人柄に惹かれていく。
CEOをヘッドハンティングするかどうかの決断、成長痛に悩む会社経営の舵取り、パートナーとの不和。課題が山積し、時間に追われるジュールズにとって、ベンが不可欠な存在になっていく、という話だ。
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非常に楽観的なストーリーであり、余計な解釈を挟まず、娯楽として楽しむには最適な映画だ。(皮肉でも何でもなく)
これを観て「我が社もシニア・インターンの制度を始めよう」とはならないが、カルチャーマッチを意識し過ぎている組織にとっては何かしらの啓蒙の機会になるかもしれない。
デ・ニーロさんが演じるベンが、あまりに格好良くて。この作品はあくまでジュールズの成長物語であり、触媒となるベンは、成長に寄与する役割に徹していたというべきだろう。
まあ、人材採用で、そんなに上手い奇跡が起こることはないのだが。
でも人事採用に携わる身としては、こういったシナジー効果を生むような組織づくりを目指したいというのが理想だし、理想に沿って粛々と採用活動を行なっていくべきだろう。
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そして自分が応募する側だったとして。
ベンのように年齢を重ねたとき、「まだ学びたい」「働くことで人生に彩りを感じたい」という理由で、新興企業にapplyできるだろうか。
ベンはガラケーを持ち、アタッシュケースに電卓やノートなど「仕事道具」を有している。僕が70歳になったとき、スマホやノートPC自体が時代遅れになっている可能性もある。
隣の席のエンジニアから「ヤバいやつが来たw」という視線を浴びることに、耐えられるだろうか。生きていくため、では無理だろう。そこに何か喜び / やり甲斐を感じなければ。
36歳最後にしては、ややハートウォーミングな世界観だったかもしれない。
「なぜ人は働くのか」「なぜ仲間と共に働くのか」を実感することのできる、良い作品だったと思う。自分に重ねてご覧いただければと。
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「老い」というテーマについては、先月noteに記しています。良ければこちらもどうぞ。
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