地味に、地道に続けることはめちゃムズイ。
2021年4月4日に放送されたNHK「日曜美術館」は、ライゾマティクスの特集だった。
現在、東京都現代美術館で彼らの大規模個展が開催されている。番組ではライゾマティクス主宰の真鍋大度さん、石橋素さんもゲストとして登場。インタビューを通じて彼らがいかにオリジナルな存在であるか垣間見ることができる。
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僕が印象深く感じたのは、真鍋大度さんがダンスを習っているシーン。
ライゾマティクスはPerfumeのライブ演出などを手掛けているが、彼女たちのパフォーマンスを理解するために自らもダンスを習っているという。週1回のレッスンを5年以上続けているという。(実際めちゃ上手かった)
半分研究、半分遊び・趣味っていう感じですかね。ダンスに関しては。僕こういうの得意なんですよね。しぶとく長く、10年やるとかいうのは。自分が上手くやるというのは難しいですけど、踊ってみると何が難しくて何が面白いのかというのが分かってくるかなと。踊りとかやっていないと音楽に合わせて映像とか照明とか合わせていくんですけど。フリが分かると、フリを決めるように照明を決められるようになる。
(NHK「日曜美術館:ライゾマティクス まだ見ぬ世界へ」真鍋大度さんの発言より引用、太字は私)
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職業を問わず、身銭を投じて、自分の仕事に関連する物事を購入したり体験したりするのは大切なことだ。
企画やマーケティングの仕事をしている人は、誰に指示されることもなく、コンビニの陳列棚に目を通し新製品のパッケージを眺めつつ購入、実際に食してみる。ソーシャルゲームが好きとか嫌いとか関係なくプレイしてみて、課金する人の気持ちを理解しようとする。鬼滅の刃も呪術廻戦も、梨泰院クラスも愛の不時着もチェックする。
これらの行動が、仕事で役に立つかどうかで言ったら、多めに見積もって1%くらいしか報われないだろう。時間と成果のバランスを考えれば非効率だが、その1%が成否を握るわけで。
ちなみにここまで記したことは当然のこと、なわけだが、こういった行動を地味に、地道に「続ける」ことはとても難しい。
・好き嫌いを超えて関心を持ち続けるのはエネルギーを要する
・非効率だと気付いてサボるようになる
・良くも悪くも周囲の詳しい人に頼るようになる
・ライフステージが変わり時間が取りづらくなる
・そもそも続けることが大変
グラデーションこそあれ、周囲の物事に対する関心(の熱量)は下がり、気付けばコンフォートゾーンの内側で仕事をするようになる。
世の中の変化は惰性で追い、ある程度経験則をもとにフォローできるが、その機微を掴むことはできない。
世間で広く知られる存在となったにも関わらず、地味なことをきちんと続けている。そして新しいものを生み出しているのだから、さすがである。
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偉そうに書いたけれど、僕自身がコンフォートゾーンでヌクヌクやっている感もあり、日々、地味に地道に自らを高めなければと思っている。
時間は有限、頑張ろう。