参院選の比例代表は、個人名を書く。
参議院議員選挙(以下「参院選」、衆議院議員選挙は「衆院選」といいます)が近付いてきました。選挙日に用事があり、期日前投票に行かれる方も多いと思います。
普段から選挙に行く方は、「選挙区」と「比例代表」の2種類の投票を行なうことをご存知かと思います。
衆院選も参院選もこの形式なのですが、実は「比例代表」に関しては違いがあるのをご存知でしょうか。
参院選の比例代表は、非拘束名簿式である
なんだそりゃ……
名称が難しく、拘束名簿式である衆院選との違いが分かりづらいのですが、ざっくりとプロセスで解説します。
有権者は「政党名」もしくは「個人名」で投票する
1の結果が合算され、各党の得票数が決定する
ドント方式によって各党への議席配分が決定する
その上で、各党の獲得議席から、個人名投票の多かった候補者から順に当選が決定する ※ただし特定枠があった場合は、その候補者が優先的に上位として当選が決まる
「政党名」でも「個人名」でも、投票した政党への議席としてカウントされる、ということは大前提として憶えておいた方が良いかと思います。
比例代表を、個人名を書いた方が良い
「比例代表では、個人名を書いた方が良い」
これについて、特定NPO法人フローレンス代表の駒崎弘樹さんが、分かりやすい動画を紹介してくれています。
どの政党を支持するか、というのは「政党名」でも「個人名」でも変わりません。
ただ「政党名」で投票をすると、その政党が載せている比例代表リストの中で、誰を当選させたいかまでは関与できない。自分たちの代表を選ぶチャンスがある選挙において、その権利を一部放棄しているということになってしまいます。
支持政党にメッセージを届けることができる
昨日書いたnoteの通り、今回の参院選では野党に投票するつもりです。
だが敢えて分かりやすくするために、「もし自民党に投票するなら」ということで考えてみましょう。
先ほど書いた通り、「政党名」で自民党の名前を記してしまうと、どの候補者も同じ評価となり、特定候補者への信任を託すことができません。
あなたがもし「自民党には期待している」かつ「選択的夫婦別姓を早期に導入してほしい」と考えているとします。比例代表に名を連ねている自民党候補者をチェックしてみましょう。
(立候補区分を「比例代表」にして、上から7番目の「選択的夫婦別姓制度」の回答部分に行きます)
すると、
・赤松 健
・えり アルフィヤ
・遠藤 奈央子
・園田 修光
・向山 淳
の5候補者が、選択的夫婦別姓制度に「賛成」していることが分かります。(ちなみに、その中で同性婚にも「賛成」しているのは赤松 健さんだけです)
もし、これらの候補者が、他候補者よりも圧倒的に得票を集めたとしたら、自民党にはどう映るでしょうか。
今回は与党が優勢という見方が強いですが、与党内でも「ああ、選択的夫婦別姓制度や同性婚への要望が強まっているのかもしれない」というメッセージを受け取らざるを得なくなるわけです。
ついでに申し上げると、SNSでも批判が集中している井上 義行さんは、選択的夫婦別姓制度や同性婚、加えて「アフターピルを薬局で入手しやすくする」にも明確に反対の立場を示しています。
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あくまでこれは仮の前提(自民党を支持し、選択的夫婦別姓制度を臨んでいるケース)を組んでいます。
ぜひ、あなたが「実現してほしい」という思いを託せる政治家を、きちんと信任できるような投票行動を取ってもらえたらと思います。
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昨日はこんなnoteも書きました。併せてご一読ください。
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追記です。こちらの方が遥かに分かりやすいnoteでした。しかし75%が政党名を書いているんですね。(かくいう僕も、前回は政党名を書いてしまった記憶があります)