争いの火種が消えない世界を憂う(映画「ユナイテッド93」を観て)
アメリカ同時多発テロという史実を描いた映画「ユナイテッド93」。Threadsにも500文字程度で記したけれど、noteでも備忘録として残しておく。
もう20年以上前のことなんだな……。
2001年。あれは僕が高校生のときだった。今の高校生や大学生は、この事件を「歴史」としてしか知らないわけで。改めて時の流れの速さを感じてしまう。(ちなみにTBSのテレビドラマ「VIVANT」でも、911のことが軽く触れられた)
2001年9月11日、旅客機4機が、アルカイダのテロリスト19人にハイジャックされた。2機はワールドトレードセンターへ、1機はペンタゴン(アメリカ国防総省本庁舎)へと墜落。ワールドトレードセンターの崩壊は、テレビでも繰り返し報道され、どこか非現実な映像に、感情の寄る辺さえ見失ってしまっていた。
タイトルになっているユナイテッド航空93便は、唯一、旅客機での突入に失敗した便として知られている。「失敗した」とはいえ、テロリストを含む乗客乗員44人は全員死亡。大きな悲しみが生まれている。
「ユナイテッド93」では、テロリスト、乗客、航空機関係者、軍関係者の視点が入り混じって構成されている。
テロリストの行為は非難以外の何物でもないけれど、映画では、テロリストもまた「同じ人間」として描かれている。彼らもテロを実行するときにはビビり、葛藤する。乗客のプレッシャーに滝のような汗を流している。40人の罪なき人々を死に追いやった「極悪人」には、正直なところ思えなかった。
争いの元はなんだろうか。
今朝もまた、北朝鮮から「弾道ミサイルの可能性があるもの」が発射された。福島第一原子力発電所にたまるトリチウムなどの放射性物質を含む処理水の放出が開始されたことで、中国は日本の水産物の輸入を禁止した。
テロから22年。世界中における、争いの火種は消えていない。
映画を観ると、「僕が乗客の立場だったら、どう振る舞うだろう」と、そんな想像が頭を過ぎる。僕がひとりで乗っていたら、乗客と同じように、妻や息子に電話で連絡するだろう。
最後に、どんな言葉をかけるだろうか。想像するだけで、胸が痛くなる。
「いつか、この作品を息子たちと一緒に鑑賞することがあるのだろうか」
そんな想像も、同時に頭に浮かんだ。
10年後、世界はどんな未来を描いているのだろうか。全く分からない。
またトランプがアメリカの大統領になることがあるのだろうか。日本はどうなる?岸田政権は、国会軽視の姿勢を貫き続けるのだろうか。神宮外苑の再開発はこのまま強行されてしまうのだろうか。高校野球は、全く変わらずに真夏の40度近い甲子園で開催され続けるのだろうか。
全く分からない。
でも願うのは、ただひとつ。穏やかで愛に満ちた世界でありますように、ということだけだ。
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