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【諦めないこと】シビル・ウォー アメリカ最後の日


噂の赤いサングラスの男のシーン、想像以上に赤いサングラスの男でめちゃくちゃ緊張感がありましたね。なんて、やっとPrime Videoで鑑賞した次の日にこのニュースが流れてきました。NYマンハッタンで移民の若者たちが、数人の男から英語を話せるか尋ねられて、話せないと答えたら刺されたとか。

「アナイアレイション -全滅領域-」や「MEN 同じ顔の男たち」などのアレックスガーランド監督、おとぎ話のようなストーリーと映像にメッセージをがっつり乗せてくるスタイルは好きなのですが、今作はひたすらリアル。上映中にずっと「あー、これありそう」という言葉が頭の中を駆け巡りました。

「男」の再生産が衝撃だったMEN

舞台は今なのか数年後なのか、アメリカ合州国であったところ。しかしこの状況か選ばれたのは、きっと現在世界最強の軍隊を持つ国であるからということだけであると思います。この作品で起こることっていま地球上のどこであっても、またきっかけさえあればいつでも起こり得るということはついこの数日間のニュースを見ても簡単に想像できるところですね。隣の国で戒厳令が布告されるところを市民などが阻止したとか、世界最悪独裁者の一角が急転失脚して他国に亡命するとか。そしてもちろんこの日本でも、移民難民へのヘイトが暴発寸前まで高まっていたり、デマや煽動を駆使することによって首長選挙を制圧されてしまう事例が発生したりと、もう風船に針を刺すくらいのきっかけがあればもうとても他人事とは言えないところに来ていると思います。

と言いつつも、今作はこんな社会になってしまうよと嘆くようないわゆるディストピア映画ではなく、提示してくるのはまさに希望なのでした。今各国で作中のセリフにあるように「ジャーナリズムを諦め」ることが多くなっていますが、今作が描くのは、ジャーナリズムを諦めなかった人たちからそれを受け継ぐ人の物語でした。序盤はひよっこだった写真家志望が先輩に向けた質問、それに対するラストのアンサーは見事でした。

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