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『スピーク・ノー・イーブル 異常な家族』映画感想文・オリジナル「胸騒ぎ」と比較


『胸騒ぎ』が日本では今年5月公開で、リメイク版の今作は12月公開。


『胸騒ぎ』は後味悪い、胸糞映画などと言われましたが、不条理ものとして私は割と好きでした。


さて今作はどうでしょうか…。


悪口言っちゃダメ、みたいな感じ?

あらすじ

2022年製作のデンマーク・オランダ合作映画「胸騒ぎ」をジェームズ・マカボイ主演でリメイクしたサスペンススリラー。ロンドン在住のアメリカ人ベンと妻ルイーズ、娘アグネスのダルトン一家は、イタリア旅行中に意気投合したイギリス人パトリックと妻キアラ、息子アントの一家に招待され、彼らが暮らす田舎の農場で週末を過ごすことに。人里離れた自然豊かな環境で楽しく過ごすダルトン一家だったが、次第にパトリックたちの“おもてなし”に違和感を抱きはじめる。一見仲のよさそうなパトリック一家の異常さが徐々に浮かびあがるなか、ダルトン一家は想像を絶する恐怖へと引きずり込まれていく。 2024年製作/110分/PG12/アメリカ原題または英題:Speak No Evil配給:東宝東和劇場公開日:2024年12月13日 (『映画.com』より引用)

感想(ネタバレ含む)

結論から言うと「これはこれで面白かった」です。


「異常な家族」なんてネタバレのように言い切っていいのかなと思いましたが、オリジナルのように微妙な気持ち悪さを維持しつつ進む話というよりも、明らかにおかしいぞとわかってからの展開を見せたい感じでした。


途中までは『胸騒ぎ』とほとんど同じ展開。サラッとなぞるような形で、やや性急な印象はありましたが「そうそう、そうだったよね…」と確認しながら進みます。


短期間でリメイクするなら、その意味はどこにあるのかなと思い始めた頃…二度目の脱出(帰宅)あたりですね。


そこから急ハンドルを切って、全く違うストーリーを爆走し始めたのには唖然としました。


おいおい、面白くなってきたぞ〜というワクワク感!


ラストも180度違います。


オリジナルで悲惨な殺され方をした夫婦は、今作でなんと逃げ切りました。しかも少年まで救って!


見ごたえのある壮絶な攻防があり、結構ドキドキして面白かったです。


なにか陰と陽といった感じで、ひとつの設定から二通り楽しめました。


ここまで変えるなら、リメイクではなく続編にしても良かったような気がします。途中までを変えれば、次のターゲットという設定にもできたなぁ、と。


ジェームズ・マカボイ演じるサイコパス男は、なぜかバングルスの「Etarnal Flame(胸いっぱいの愛)」がお気に入りで、大声で歌ったりなどします。


懐かしい、これすごくいい曲なのに、なんで!?!?と思わずにはいられません。


墓地や戦没兵士 の記念碑の前で燃やされる炎のことを「エターナル フレイム」と言うそうですが、確かに碑は出てきました。でもそんなに意味があったようにも思えず、ちょっと分からないですね。


ただ、アイドル的な女の子のバンドで、曲も歌詞もロマンチックですから、気持ち悪いことは確かです。


エンドロールにまで使っていたので、3回ぐらい聞きました(笑)


全体的にアメリカの明るい派手な空気感があり、北欧ホラーとはテイストの違いを感じました。


それぞれに良いところがあって甲乙つけがたいですが、私は僅差で『胸騒ぎ』の方が好きです。


本当に悲惨なんだけど、不穏さ、陰湿さが好みでしたね。宗教色も織り交ぜていました。


ただ、こちらもかなり面白かったです。何より、子どもが二人とも無事だったのは良かったですね!


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