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『MR.JIMMY ミスター・ジミー レッド・ツェッペリンに全てを捧げた男』映画感想文・職人的探究心に心打たれました
想像はしていたものの、驚嘆の一言です。
ジミー・ペイジの再現に人生の全てを賭けた日本人、ジミー桜井さんのドキュメンタリーです。
![](https://assets.st-note.com/img/1737530456-XmpKO0sltW1iIVSPMzah5H6e.jpg)
あらすじ
イギリスのロックバンド「レッド・ツェッペリン」のギタリスト、ジミー・ペイジになりきることをライフワークとする日本人・ジミー桜井を追ったドキュメンタリー。
新潟県十日町で育った桜井昭夫は高校時代にレッド・ツェッペリンのレコードに出会い、ジミー・ペイジのギタープレイの虜となる。やがて上京した彼は、昼は着物のセールスマンとして働き、夜はペイジのギターテクニックと人格を身につけた「ジミー桜井」として活動。35年間にわたり、東京の小さなクラブでレッド・ツェッペリンのビンテージコンサートを完璧に再現してきた。
ある夜、来日中のペイジ本人が桜井の演奏会場をお忍びで訪れたことで、彼の人生は大きく動きはじめる。本物のペイジの喝采に触発された桜井はサラリーマンの仕事を辞め、家族を置いてロサンゼルスに移住し、レッド・ツェッペリンのコピーバンド「Led Zepagain」に加入する。しかしそんな彼を、言葉の壁や過酷を極めるツアー、メンバーとの軋轢など、さまざまな困難が待ち受けていた。
2023年製作/114分/G/アメリカ・日本合作
原題または英題:Mr. Jimmy
配給:アルバトロス・フィルム
劇場公開日:2025年1月10日
感想(ネタバレ含む)
Led Zeppelinは普通に好きで、ジミー・ペイジも普通にすごい方だという認識です。
ツェッペリンのアルバムは普通に4枚目が一番好きです。
そんな普通の音楽ファンの私などが観に行ってスイマセン!と謝りたくなるような、本気の本気を見せていただきました。
どのようなジャンルでも、一途にその道を追求する方には勇気や感動をいただけます。
桜井さんの稀有なところは、自分の個性やオリジナリティではなく、ジミー・ペイジのモノマネというレベルでもなく「完全再現」を追い求めているところ。
普通、自分なりのアレンジをしたくなったり、ついクセが出てしまったりするものですが、それを一切封印した忠実なギタープレイ。
加えて、ギターやアンプなど機材も本物に限りなく近づけ、衣装も写真やビデオを研究して、特注で再現します。
その細かすぎる要求に対して、日本の職人の方々が、彼の意図を汲み、よく理解して真剣に接しておられるところが素晴らしいと思いました。
なにかこう、日本人の職人気質というもので理解し合っているような気がします。
私もその心意気というものが、なんとなく理解できるんですよね。
このこだわりがアメリカに渡った時に、どう捉えられるのか? と、見ながら心配になったのですが、やはり難しい面もあったようです。
ツェッペリンのトリビュートバンド、Led Zepagainに加入。ビジネスとしての成功を目指すメンバーからは、1972年のプレイはこうで、1973年のプレイはこう…という強いこだわりや、ライブごとの完全コピーが理解されにくいのもわかります。
ご本人にとっても葛藤やはがゆさがあっただろうと思いますね。
寸分たがわぬ再現がオーディエンスの求めているものだろうか?という問いに対する答えは、人によって違うかもしれません。
私は見たいし聴きたいと思いますが、アメリカ人はそうでもなさそうです。
伝統芸能とか、専門的な職人の域、という風には見ていなさそうです。
また、コピーとか割と皆さん軽く見てしまうと思うのですが、ひとつのことをとことん追求できる能力ってものすごい才能です。
ここまでのことは誰にもできないはず。ジミー桜井さんには、これからも迷わずとことん突き進んでいってほしいです。
調べたら、直近のライブはSOLD OUTで、嬉しいような残念なような気持ちになりました。機会があればぜひライブを拝見してみたいものです。
これが好きだ、という情熱に勝るものはないですね。とても元気をいただきました。陰ながら応援させていただきたいと思います。