『型破りな教室』映画感想文・こんな学校いいな〜と
この映画を見て、私が子どもの頃(昭和時代)の小学校を見ているような、懐かしい気持ちになりました。
実話を元にした作品です。
あらすじ
感想(ネタバレ含む)
治安が悪く、貧困のため学校へ行けない子どももいる地域。
新任教師のフアレスは、机を取り払ったり、教室を飛び出したり、様々な形で子どもたちの考える力を引き出そうとします。
初めは戸惑い、反応の薄かった子どもたちが、次第に目を輝かせて学ぶようになる姿が感動的です。
国も文化も違いますが、そのような生き生きとした子どもの姿を見るのはとても頼もしくて嬉しいものです。
誰もがそれぞれ違う能力を持って生まれてきていて、自分にも優れたところがあるということを、生活環境の悪さから自覚できずにいた子どもたち。
フアレスは子どもたちの良さを見つけて伝え、彼らも次第に自信を持つようになっていきます。
すばらしい先生だと思いましたが、このような型破りとまではいかなくても、昔の先生って子どもと一緒に遊んだりして時間を共有し、子どもの心を満たしていたような気がします。
今は先生方も忙しくなってしまい難しいですが、昔は先生がギターを弾いて皆で歌ったりなんていうこともあって、そんなささいなことが意外と大切だったし、いい思い出になっています。
話がそれました。
これまでフアレス先生の授業に懐疑的だった校長も次第に巻き込まれ、友情のようなものが芽生えたのも楽しく、心温まるサイドストーリーでした。
しかし、何と言ってもここは治安も悪く、貧困地域です。せっかく学ぶ意欲を持ち始めた子どもたちに次々と障害が現れます。
中でも、悪い仲間と共に、銃の密売を手伝っていたニコが命を奪われたところは、驚きと悲しさで、本当に残念でした。これも実話なのかどうか…本当ならあまりにも悲しいので、調べられずにいます。
優秀なパロマにあたる少女は、エンドロールで紹介されていましたね。やはり、とても悧発そうなお嬢さんでした。
(賢い子ってどうしてかわかりませんが、顔つきがピリッとしていて違いますよね。)
とても魅力的なフアレス先生を演じていたのは『コーダあいのうた』で音楽教師を演じていた、エウヘニオ・デルベス。
私は『コーダあいのうた』が好きではありませんが、音楽教師は理解があって、大人たちの中で唯一と言っていいほど良いキャラクターだと思いました。
先生にも当たり外れが確実にあり、場合によっては子どもの一生を左右することもあるのでしょうね。
最後に、これは先生と生徒の話ですが、親としても子どもの教育で「考える力を育てること」が大切だと教えられました。
親というのは何でも先回りしてやってしまいがちで、失敗しても見守り、考えさせることは、意外と難しくてできないものなのです。
私もいまさらですが「型破りな家庭」を目指してみようかなと思いました。