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事前情報が変える主張の印象。 -アンカリング効果とは

こんにちは、このnoteでは”分かりやすい表現”にまつわるテーマを取り上げて情報発信しています。

今回はアンカリング効果についてお話します。
ビジネスシーンや交渉ごとの場面でも多々活用されている心理現象ですので、ぜひご覧いただけると嬉しいです。

アンカリング効果とは

心理学の用語で、先に与えられた情報が錨(アンカー)となり、そのあとの判断や行動に影響を与える現象のことです。
特に先に与えられた情報とあとに与えられた情報に差があるとき、最初に与えられた情報を基準にして判断、行動を取りやすくなります。
心理学者、行動経済学者であるダニエル・カーネマンとエイモス・トベルスキーによって提唱されました。ちなみにダニエル・カーネマンはエイモス・トベルスキーとの共同研究の末、プロスペクト理論でノーベル経済学賞を受賞しています。

アンカリング効果はどんなときに生じる?

アンカリング効果は、日常生活でもいろいろな場面で生じています。

 日常でよく見るアンカリング効果

例えば定価3000円のバッグが50%オフの1500円で売られていたとき、人はそのバッグの価値を1500円よりも高く評価する傾向があります。
これは、もともと3000円だったという基準(アンカー)が頭の中にあるため、1500円で販売していると、お得に感じるのです。みなさんも、半額の商品にお得感を感じますよね?

また、少し前にGoogleフォトの有料化が発表されましたね。これまではどれだけ写真をクラウド上に保存しても無料だったのが、一定の容量を超えると月額有料制になるというものです。個人的には有料でも十分なサービスではありますが、Googleフォトは長年完全無料でサービスを提供してきたため、0円がアンカーとして機能しています。そのため、月額料金が発生することに対する不満の声も出やすくなります。

ビジネスでも使われるアンカリング効果

日常生活でも影響を受ける場面が多々あるアンカリング効果は、ビジネスの場面でもたびたび活用されています。

 営業の現場で使われるアンカリング効果

例えばジュエリーショップにいったことはありますか?婚約指輪や結婚指輪、ファッションリング等がきれいに並んでいます。
ぼく自身が実際に感じたことですが、宝石の店頭価格と接客してくれる店員さんから提示される見積もり価格では、見積価格の方が低価格で提示されることが多い印象があります。この場でも、店頭価格という少し高価格なアンカーを先に提示し、後に提示する安い価格の納得感を高めているのだと思います。
ちなみに色々なジュエリーショップに行ったことがありますが、同じように店頭価格より実際の見積り価格の方が安いことが多いようです。

他にも、価格交渉の場で先に希望価格を提示した方が、その価格がアンカーとなりそれ以降の交渉の基準になります。先に希望価格を提示することに抵抗感がある方は多いと思いますが、実は先に提示した方が後々の話が自分にとって有利に働きやすくなるということですね。

 マーケティングで使われる場合

UDEMYという動画講座を購入できるwebサービスでは、通常期間中に動画講座を購入しようとすると1~2万円程かかりますが、定期的にキャンペーン期間を設けて割引価格を提示しています。

それこそ2万円の講座が2千円以内で購入できることもありますので、とても大きなプレミア感を感じて購買を促しています。UDEMYの場合は特別価格を提示し、さらに期間を区切って販売することで購買をさらに後押ししているのだと思います。

アンカリング効果を活用した表現

アンカリング効果を活用して情報を届けたい、というときはとにかく先に数字情報を提示するのがお勧めです。
例えば
・メルカリで中古のカメラを販売したいときに「定価10万円ですが使用機会がないので5万円で販売します」
・親に赤点を報告するときに「木村君は30点でぼくは35点でした」
といったように、先に判断基準となるアンカーを提示することです。

プレゼンなどの中で活用する場合、たとえば自社サービスの良さをプレゼンするときは、市場や競合の実態を共有したうえで自社サービスの優位性を伝えると、先に市場や競合の実態がアンカーとなり、自社サービスの良さがより訴求できるようになります。

とにかく先にアンカーを提示し、良い意味で期待を裏切る主張を提示する、これが大事ということですね!

ぜひ、参考になればうれしいです。
ご覧いただきありがとうございました。

それではまた!

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