コーヒー何それ記 ナポレオンとコーヒー ~為政者とコーヒー編①~
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今回は為政者とコーヒー編と題して、コーヒーと権力がどのような関係にあったかを紹介していきたいと思います!
第一回はフランスのナポレオン!一度は聞いたことがあるであろうこの人物は軍事的な天才だとよく言われたり、皇帝になったり、流されたりと話題が尽きない人物です
旦部幸博氏の「珈琲の世界史」を参考に紹介していきます
こんな感じでコーヒーの話題やカフェ訪問記、どんな豆のコーヒーを飲んだかを紹介・更新しています!よろしければスキ、フォローよろしくおねがいします!
ナポレオンの台頭まで
ナポレオンが活躍した時期はフランス革命時です
歴史の授業で必ず扱うこの出来事、まさにその時期にナポレオンは軍人として臨んでいくのです
フランス革命後、周辺国は自国に革命が波及するのを恐れ、「対仏大同盟」を結成し革命政府に攻撃します
この戦争で頭角を現したのがナポレオンでした。彼は1799年に軍事クーデターを起こし実権を獲得。その後、彼率いるフランス軍はヨーロッパ地域を征服していくのです
ものすごく大雑把ですがこんな感じです。ナポレオンが率いた軍が強すぎてパワーバランスが大きく変わったのが今後の出来事につながっていきます
コーヒーと戦争
1806年、ナポレオンは「大陸封鎖令」を発布します
これは敵対していたイギリスを経済的に追い詰める、いわば兵糧攻めです
ですがこれは自分の国にも多大な影響を与えるものでした
海外からの輸出入が完全に止まったヨーロッパでは植民地から得ていたものが不足してしまうのです
そう、この中にコーヒーもあったのです
こうしてヨーロッパ各地ではコーヒー他の不足物資の代用品の開発が進むのです
ヨーロッパ大陸のコーヒー不足
大陸封鎖令によって不足したのはコーヒーのほかに砂糖もありました
ナポレオンはこういった不足品の代用研究を奨励し、砂糖はヨーロッパ産のテンサイから作る技術が完成し解決しました
しかし、コーヒーはうまくいきませんでした
代用コーヒーとしてチコリや大麦を使用した「香味」はある程度近いものはできましたが肝心なものが代用できなかったのです
それが…覚醒作用、カフェインです
そもそもこの時、コーヒーの覚醒作用の正体は判明していなかったのです
結局、大陸封鎖令もイギリスには大したダメージを与えることができず、海外からの輸入品を求めるヨーロッパ諸国やフランス国民からも不満がつもりナポレオンは失脚します
後に資本論で有名な哲学者カール・マルクスは
「大陸封鎖令による砂糖とコーヒーの不足が、ドイツの人々をナポレオン打倒に駆り立てた」
と記したそうです
こののち、ナポレオン失脚後の1819年に文豪ゲーテが隠し持っていたモカの豆を科学者フリードリープ・ルンゲが覚醒作用の本体の分離に成功しカフェインが発見されたのです
さらに、このカフェインはヨーロッパでは代用できる植物がなく、当時では代用品の開発がほとんど不可能という結論になってしまいました
こう見ると、自分の首を絞める形になった大陸封鎖令、そして当時コーヒー文化が広がっていたヨーロッパで嗜好品の代用を確保できなかったのはナポレオンの破滅の1つになったといっても過言ではない、そんな気がします
ナポレオンの世界への影響
ナポレオンは様々意味でヨーロッパをかき乱しましたが、当時の列強が持っていた「植民地」に大きな変化をもたらしました
戦争と独立などが起き、特に中南米は大きな影響を受けたのです
それが、主要輸出品であった「砂糖」の価格下落です
代用品としてテンサイ糖の開発が完了していたヨーロッパでは砂糖の価格が下落しており、以前のような収益は望めません
ですが、代用品ができなかった「コーヒー」は違いました。大陸封鎖令の解除後に需要が増えたのです
こういったこともあり、中南米ではコーヒーの生産が活発になり現在まで続く主要産業へと発展していくのです
ナポレオン本人とコーヒーの話
話は変わってナポレオン本人はコーヒーのことをどう思っていたのでしょうか
記録ではナポレオン本人もコーヒー通がつくほどコーヒー好きだったようです。知っている方も多いと思います
ですが、今日伝わっているナポレオンのコーヒーの逸話は多くは脚色・捏造が多いのではと考えられていて、よくわかっていません
ナポレオン本人は美食にあまり興味がなく、部下にあてた手紙ではチコリの代用コーヒーを絶賛していた、とのことです
ですが、流刑地のセントヘレナ島では毎日欠かさずコーヒーを飲んでいたそうで亡くなる直前までコーヒーを欲していた、そうです
セントヘレナ島の「ブルボン」
こう見るとナポレオンはコーヒーのことが好きだったととらえることができます
ですが、代用コーヒーのことを絶賛していたり、美食に興味なかったりと、という逸話が残っています
となると、セントヘレナのブルボン(グリーンチップブルボン)の話はどうなってしまうのでしょうか?
想像でしか話はできませんが、ナポレオンが流される前の1700年第からセントヘレナ島ではコーヒー栽培がおこなわれていたとされています
なので彼がセントヘレナ産のコーヒーを飲んでいたのは可能性としては高いです
ですが、彼は代用コーヒーのことを絶賛する資料は残っていますが、少なくとも現地セントヘレナ島産のコーヒーについて書いた記録・資料はない、みたいです(私がネットで調べた限りでは)
なので、今日いわれているグリーンチップブルボンの宣伝文句は商売のために誇張して宣伝している、というよくある話に行きつくのではないかと思います
コーヒー以外でもカレーや肉じゃがで未確認・未検証な発祥や由来でブランド化していることもあるので、まぁそんな突っかからず純粋に娯楽として楽しめばいいんじゃないかと私自身思います
まとめ
ヨーロッパの歴史が大きく動いた影でコーヒーは様々な思惑や情勢の変化にさらされてきています
ある1人の人物の野望で多くの人たちが影響を被る、そういった事例の1つですね、考えさせられるものがあります
参考文献
旦部幸博「珈琲の世界史」2017年 講談社
旦部幸博「コーヒーの科学」2016年 講談社
あとがき
というわけでナポレオンがコーヒーに与えた影響を書いてきました
彼が世界に与えた影響は計り知れないですが、その中にコーヒーがあったのは面白いですね
グリーンチップブルボンについて少し否定的なことを書いてしまいましたが、味わいはおいしいコーヒーです!
ブルボンの割にはとても繊細な苦味と酸味、それにイチゴ系に近いチェリーの香りが楽しめました
このコーヒーが飲めるお店は中目黒にあるスターバックスロースタリーが一番行きやすいですかね!
ですが毎年2月末の1週間程度しか販売していない、かつ結構なお値段なので飲みたい方は注意してください
今回、約1週間ぶりの更新となりました
前回の最後に今まで飲んだ豆の紹介をすると書きましたが、思いのほか筆が進まなかったので、今回ほかに書きたかったナポレオンの話に変更しました
この一週間でフォロワー数も約20人ほど増えていろんな人に読まれていることがうれしく感じます!
ありがとうございます!!
最後まで読んでいただきありがとうございました!今回長くなってしまいましたが、記事はいかがでしたでしょうか?
よろしければスキやフォロー、コメントお待ちしています!
しじみとれでした